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第2話 中学生
いつもと同じように二人きりの家のオレの部屋で何もしゃべらず無言のままのオレたち。
「オレ、男同士でって初めて見た。」
先に沈黙を破ったのは航平。
「オレも。」
再び沈黙。
「キス、もしてたね。」
今度はオレが先に喋った。
「・・・・・・ナオは誰かとキスしたことある?」
航平の言葉に驚いて顔を上げた。
「あるわけないじゃん。彼女いたことないし。航平は?」
「・・・・・・・・・・・・。」
「航平?」
「・・・・・・一回だけ、ある。」
航平の思いもよらない返事にオレは一瞬だけ固まった。
「そ、うなの?え?彼女いたことあった?」
「い、いや。彼女じゃなくて、その、好きな人。」
「航平、好きな人いるの!?」
「うん、まあ。」
「オレの知ってる子?」
「・・・・・・知ってる。」
「へえ!誰だろ。つか、オレ、そんなこと全然知らなかった。」
「うん、ごめん。オレも言ってないし・・・・・・。」
何となくいつもの航平らしさがなくて、それ以上追求するのはやめた。
「・・・・・・あ、のさ、キスってどんな感じ?」
ずっと保育園の頃から幼なじみな航平が何だか大人に思えて、気づけばオレはそんなことを言っていた。
「してみる?」
航平がオレを伺うように見ていた。
「うん。」
真夏の冷房も効いてない部屋でオレは生まれて初めてのキスをした。
その日を境に家で二人きりのときは、キスをたくさんして、抜き合いってことでお互いのを触りっこした。
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