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第9話「―はいいけど、キスはなぁ…」 9

 オレは鴉岬(あんざき)と焼き鳥屋に行った。焼き鳥は美味しかった。空気は(まず)かった。  鴉岬は途中でスーマッヒョ開いて、仕事中でもスーマッヒョ見ないのに。急用かって訊いたら、否定されたケド……でもなんかそわそわしてたから、急いでるんだなって思って、すぐに切り上げた。 「家、寄っていかないか」  オレは腕取られて、鴉岬から触られるとは思わなくてびっくりした。 「いいの?鴉岬、このあと何か予定あるんじゃないんだっけ?」  そしたら鴉岬はばつが悪そうだった。この前変な別れ方したから、気を遣ってるのかなって思った。 「ない……あったら、お前と焼き鳥屋には行っていない……」  鴉岬は様子が変だった。だからやっぱり、1人にしておけないなって思った。 「ん、じゃあお邪魔しよ」  鴉岬はこくんって頷いて、なんかぎこちなかった。そういうときの鴉岬の横顔ってセクシーなんだよな。伏せた目とか。眼鏡のレンズ掃いちゃいそうな睫毛とか。  鴉岬の家にまた寄って、玄関に入ったとき、鴉岬はオレのこと急に壁に押しつけてきた。何、なに、なに? 「島莱(とうらい)……」  今にも泣きそうな声で迫ってきて、本当にどうした? 「なに、鴉岬。なんか、あったの?」  鴉岬のほうが細いけどデカいのに、急に小さく見えた。 「何も訊かずに……抱いてほしい」 ……? ………… …………? 「は?」  オレは頭真っ白になってた。鴉岬、お酒入れてたっけ? 「頼む」  意外と強引だった。そのままオレのおちむちむまで屈んで、あっという間に出されちゃう。別に嫌ってワケじゃないから抵抗もしてないケド、あんまりに急すぎる。 「鴉岬、急に何?」 「急にしたくなった。できるだけ気持ちよくする……」  そう言う鴉岬は、全然、なんか冷静な気がした。だから、ムラムラでバカになってる感じじゃなかった。 「なんか、変だ、鴉岬」 「何も言わないでくれ」  オレのズル剥けのグロちんちんが、鴉岬の意地悪そうな薄い唇にぱっくんちょされちゃった。電話出てるときに、威厳があって、本当に若手かって言われてるくらいしっかりした対応でさ、会社ではめっちゃカッコいい鴉岬が、ここではオレのでっかくてぶっとい亀頭丸出しのちんちん、しゃぶってる……興奮してきちゃったのに、やっぱり鴉岬、なんか変だった。目がぬらぬらしてない。理性的っていうか……鴉岬としたことないヤツには分からないかもだけど、目の光り方が違う。 「ん………っ、く、んむ………」  おちむちむに満遍なく舌を這わせてから、鴉岬は頭を動かした。ずひょろろ~って柔らかい動きが気持ちいい。竿は柔らかく扱かれて、雁首では唇が引っ掛かる。裏筋は舌がフォローしてくれるしで、そのままの吸引力で玉袋からせーし啜ってるみたいだ。 「あんざき……」  なんでこんなコトしだしたのか分からなかったケド、鴉岬は自傷癖みたいにオナニーするから、多分それの派生なんだな。オレのいやらしい勃起ズル剥けおちんちむはめっちゃ喜んでいるけれど、気持ちとしては鴉岬が可哀想で、なんか、そういうところ見せられちゃうと具体性はなくても守りたいって思っちゃうのが人情じゃない?でもオレの出番じゃないんだよな。オレの出る幕じゃない。鴉岬を救えるのはオレじゃないってコト。それはそれとしてもフェラしてくれる人を撫でるのは法律にしたほうがいいと思っているタイプだから鴉岬の髪撫でた。整髪料使ってるなって感じだった。黒猫みたいな毛並みだケド、黒猫って大体人懐こくって、鴉岬みたいなカンジじゃない。 「気持ちいいよ、鴉岬」  ちんちんしゃぶられるとめっちゃ甘えた声が出ちゃう。うずうずする。鴉岬の口の中、好き放題突いちゃいたいな。でも我慢した。  鴉岬は上目遣いにオレのこと見てきて、ぐっとキたけど、喉奥ガン突きなんて酷いコトできやしなかった。 「ん……く、ぐぐ………っ」  こぽこぽ音がした。鴉岬はもっとオレの深く咥えた。 「あん……ざき、でる……………でる………出ちゃうから………」  結構、濃くて臭いのがいっぱい出そう。キンタマがずきゅずきゅになってる。ちんちんの扉閉めておくにも限界があって、鴉岬のフェラが重すぎてすぐ開いちゃいそう。 「ん、んっ、あふ、」  喉が締まってる。首までおちむちむ届いてる気がした。喉仏の裏側辺りまで……そんな長さないのは分かってるけど、だってすごく締まる。手コキみたいだった。 「あ、出る……!ゴメ……あんざき、出る………」  オレはもう目の前ちかちかしてた。ちんちんに力入れておくのもうダメだった。腰がびくんってして、鴉岬の口の中、もっと突いちゃった。びゅくびゅくびゅるびゅる出ちゃってる。濃すぎてちんちんのナカがごりゅごりゅ何か転がってる感じだった。気持ちいい。鴉岬の口の中に射精するの、気持ち良すぎる。 「んぐぐ………ぅぶっ、んっ、んっ……ぐぶぶ……ッ」  鴉岬はちんちん吸いながらオレのザーメン飲んでた。気持ち良すぎるし、鴉岬かわいすぎる。健気だ。 「きもちぃ………あんざき…………きもちぃぃ………」  鴉岬のベロにちんちん擦りつけちゃった。伏せった睫毛がとってもえっちだった。 「ごめん………鴉岬………ごめん。ほんと……」  でもオレのちんぽ口から出したのが、鴉岬の限界だったみたいだった。首押さえて咳き込んじゃってた。 「俺の言い出したことだ。気にしないでくれ」  完全に病み上がりの声してた。涙目なのに、オレってやつはきゅんとキちゃう。だってめっちゃ近い。男同士でこんな近付くで滅多にない。息遣い聞こえて、オレのちんちんとザーメンで苦しんだ呼吸なんだなって思ったらコーフンした。 「あんざき」 「部屋にいてくれるか。俺はシャワー浴びてくる」  オレの目、見てくれなかった。なんか変だ。喉奥で射精するやつのコトなんか、嫌になった?でもその前から。ヤケになってる。リスカみたいなオナニーしてるときと同じだ。 「あんざき、だいじょぶ?」  オレは鴉岬の腕掴んじゃった。 「大丈夫だ。どうした?」 「なんか悩んでそうだった」 「悩みなんてない」  涙はちょっと引いてるケド、なんか弱々しい目と目を合わせてた。照れる。女の子としか見つめ合ったりしなくない?百合平さんはちょっと中性的だし。 「シャワー一緒がいい」 「慣らしにいくんだぞ。そういうのは、萎えないか」 「セックスは前戯が9割って聞いたんだけど」  鴉岬は話聞いてくれなかった。でも一緒にシャワー浴びるのダメじゃなかった。 「新しい歯ブラシくれよ。あとで返すから」 「そこの棚にある」  オレは言われたとおりのところの棚を探した。新しい歯ブラシの買い置きあるの本物にマメ。オレはしゃこしゃこ歯磨きしてからシャワー浴びた。  鴉岬はオレに背中向けて蹲るから、本当は女の子なんじゃないかと思ったケド、育ちというか品が良いんだろうな。その辺の男じゃそら"良さ"は分からないしバカにもするよ。恥じらいがあるというか奥ゆかしいというか、ファビュラスというかエレガントというか。オレたちみたいな野良猫じゃないんだよな。 「あの歯磨き粉、しょっぱいしマイルドでまじぃよ。ピオーレにしろよ。粒々で美味しいし」 「味で選んでも仕方がない」  薬草みたいな歯磨き粉のチョイスは、でも鴉岬っぽかった。 「鴉岬」 「なんだ」  鴉岬は本当にガチ風呂って感じだった。オレはシャワーで汗洗い流すくらいのつもりだったのに。 「楽しかったぜ、今日。へへ、遠足から帰ってきた日の夜みたい」  やっぱりオレってかわいいやつだな。オレ、かわいいだろ?って思ったのに、鴉岬はそう思っちゃくれてないみたいだった。なんか困ったカオする。元気ないような。なんでだよ! 「なんだよ、鴉岬」 「能天気なやつだな……と思って」 「平和を愛してるのさ―」 「―ごめんな」  なんで?なんで謝った?なんか急に謝られたんだケド。シャワーの音あるし、風呂場の反響で聞き間違えた?でも鴉岬はそういうカオしてた。 「何?それ」 「(よご)した気分になった。島莱のことを」 「おいおい。何言ってんだよ、ミスターお上品がよ。鴉岬みたいなお上品が眼鏡掛けて歩ってるようなやつに、オレを穢せるワケねぇだろ。いっくらオレが清純無垢だからってよ」  気にしてる?後戻りしたい?オレと何度かヤっちゃってるコト。 「そうか?」 「うん。くだらねぇコト考えるなよ。頭良いやつはあれこれ考えちまって大変だな。少しは寄りかかれよ、頭すっからかんな楽天家に」  オレは別に鴉岬の前なら、いくらでもピエロになれるワケで。なんでかね。だって甘えてこないから。不器用に迫ってくるくせに。感情も持ち合わせてこいよな。素直さをな。 「それならいい」 「気持ち良くなるコトだけ考えようぜ」 「付き合ってくれるのか、俺の性欲に?」  やっぱなんかおかしいなって思うのは、鴉岬からムラムラが伝わってこないコトなんだよ。鴉岬がムラついてるときの空気感を、オレは知っているはずで、でもそれじゃない。なにかしらの"義務感"。何?ヤれるときにヤっておきたいってやつ?ヤり溜めってやつ。デカめの案件背負ってるのかな。訊いてみようと思えば訊けるけど、仕事中じゃないんだし、なんか悪い。まだナイショのコトかも知れないし。 「キンタマ空っぽになるまで付き合うぜ。尻出せよ。洗ってやる」 「それは……自分でやる!先に出ていてくれ。ベッドに……」  弱気なんか?って思わせといて強気になったり、照れたり、忙しい。鴉岬は意外と表情あるやつだ。会社ではオレだけが知ってるの、めっちゃ優越感あるな。 「ちゃんと、慣らせよ。時間かけてもへーきだから。寝てたらキスして起こして。オレは純真プリティなお姫様なんでね」 「冷蔵庫にビールがある。よかったら飲んでくれ」 「うん。あんがと」  最初からベッドでヤるのは実はオレもめっちゃ照れる。なんか、もう、本当にセッススしちゃうんだなって感じじゃん。いや、セックルするのは分かってるコトでも、集合場所がベッドかリビングかじゃ結構違う。心持ちがね。オレのオレに対する建前というか……実感というか、情緒というか。いや、そういうつもりなくて盛り上がっちゃって、ベッド行こってなるのもいいんだケド……ってかそっちのほうがいいな。言ってみるか、ベッド行こって。鴉岬の反応みたい。ソファーの上とか床と違って、背中とか、物を気にしなくてよくなるんだよね。本当にもうセッコスのためだけに集中できるっていうね。このニュアンス、鴉岬に分かるかな。  せや!ソファーで寝たフリしたろ!  鴉岬の元カレのイキりテロテロパジャマ借りて、ソファーでお姫様みたいに寝たフリした。  少ししてから風呂場のドア開く音したし、それから水道の音したから歯も磨いてるな。で、ここまで来るのがカウントダウンできた。 「寝たのか、島莱」  静かな足音が傍に来た。 「島莱……」  オレを少しだけ揺らす。 「オレお姫様だから、チュウしないと起きないよ」  冗談のつもりだったんだけど、ホントにチュッて鴉岬はオレにキッスした。 「え」 「満足か」  鴉岬との初めてのキッスは歯磨き粉のミントのスースー感味だった。蕩けるね。 「マジでするとは思わなかった」 「文句は受け付けないぞ」 「文句じゃないよ。いいんじゃない?その気になってきた。ベッド行こ」  決まった! 「………分かった」  ここに来て鴉岬のガチ照れ。やっぱりオレと同じ情緒を持ち合わせてるんじゃん。ってコトは、オレもワンチャン、お上品でエレガンス?  先に寝室に通されて、ベッドに座ったら鴉岬も隣に座ったのになんか1人分空けられちゃって、緊張してるんだなって。童貞?いや、セッココの有無なら童貞じゃないだろうケド、おちむちむを挿れるかどうかの話でいうと童貞かどうかは定かじゃない。 「緊張してるの」 「……してない」 「あんまり、その気じゃないでしょ。ホントは」  まだ全然、ムラついてる様子はない。緊張してたら余計にムラムラできなくないか? 「そんなことない。今すぐやりたい」  オレが「ホントか~?」って疑ったのが癪に障ったらしい。鴉岬はオレのコト押し倒そうとする。 「島莱は何もしなくていい………その、勃たせていてくれたら。さっき出したし、もう無理か」  煽ってるつもりないんだろうケド、それは煽り。オレの精子タンクをナメ過ぎだよ。いや、もっと上の部分(ほう)は舐められ過ぎたケド。 「まだ出る。鴉岬が今ムラついてる必要ないよね。オレがその気にさせるもん」  オレは薄っぺらい鴉岬のおっぱい触った。親指でびーちくを押さえる。 「んっ……」  親指くりくり動かしたら、びーちくもこりこりしてきてた。でもやっぱり、相手からの熱気が、伝わってこないんだよな。 「島莱……っ」 「緊張すんなよ」  びーちくも、今はあんまり気分じゃないみたいだった。その場合はダイレクトにおちんちんいぢいぢするしかない。鴉岬は腰にタオル巻いてるだけだったから、その上から揉んでみる。 「島莱っ、いい!俺がするから……」 「緊張にはベロチュウ手コキって相場が決まってんだよな」  さっき鴉岬もオレにチッスしてくれたし、セックスまでしちゃってる仲だし、一応フリーみたいだからいいだろ?って思った。鴉岬のこと押し倒して、眼鏡取って、鼻先同士くっつけてみる。 「鴉岬、オレとチュウ、ヤダ?」 「嫌……じゃない……が、」  うっすい唇にチュッてした。鴉岬はまだちょっと躊躇ってるみたいだったケド、ベロチュウ手コキで(ほぐ)したげる! 「島莱……」  もしかしてまだ自分が主導権握るつもりでいるのかな。まだ全然、"その気"になってないのに? 「オレは尽くすのが好きなんだよ、セックスでは」  だからおっ勃てられてれば寝てるだけでいいとか無い。 「島莱……でも、」 「オレのコトさっきから呼び過ぎだよ、鴉岬。実はオレのコト、結構スキなんちゃぅん?」  ふざけて言った。鴉岬はなんでがちょっと震えてたけど、もうチュウしてたから顔よく見えなかった。オレの下で急にへろへろになっちゃって、まだ覚悟決まってないみたいにオレの二の腕あたりを突っ撥ねようと肘張ってたのが無防備になってた。  簡単に唇はむはむさせてくれて、強張ってるけど、ベロチュウ手コキはここからだから!オレは立ってやるのが好きだけど、仰向けの鴉岬の口の中にベロ突っ込んで漁ってみた。昔、部活動対抗リレーで小麦粉の中から飴玉探すやつみたいに、鴉岬の口の中に、オレは何かを探していた。具体的に何っていうのはないんだけど。強いて言うなら、鴉岬の脱力スイッチ。あっちこっち探してるうちは追い払うように、でもちゃんと巻きついて。薄い唇なのに柔らかくてフィットしてくる。頭支えて、ちょっと親指に余裕あったから耳の下の辺りさすさす撫でた。後ろにもっと倒れていく感じがかわいかった。 「ぅ……んっく、」  鴉岬が小さく身動きをとった。ちょっとオレもぼんやりしてきてる。体温とか、唾とかベロの裏表の質感(カンジ)とか、主導権握ってもほわわ~ってキちゃうんだよな。気持ちいいケド目が回る。小さい時に思い描く雲の上に寝転がっちゃうみたいな浮遊(ふわふわ)した感覚になる。まだ雲が不思議な綿だって信じていた頃の。  もう少しとろとろにしてから手コキすることにした。唇めっちゃ押し付けて、鴉岬のベロちゅぱちゅぱ吸った。むわ~って甘いんだケド、砂糖とか酒みたいな甘さじゃなくて、脳みそが甘いものって勝手に認識してるみたいな、得体の知れない甘さだった。オレも蕩けちゃってる。鴉岬を気持ち良くしなきゃいけないワケで。さっきヌいてもらったし。  鴉岬のちんちんに触った。なんか膨らんでる感じとか重さとか、妙に生々しかった。熱も。中の小さな振動みたいなのとか。 「は………ぁ、っ、あ、っく、んん……」  急所触られて、びくってちょっと怖気付いてるのが分かった。でも酷いコトはしないんだよな。ただ気持ち良くなってほしいだけ。  力抜けてきてるベロをぐりぐりやりながら、ちょっと濡れてきてる鴉岬のおちんちんシコった。先っちょぬるぬるしてて、チュウで気持ち良くなっとくれてんだなって嬉しくなった。 「あ……っ、ふぅぅ!ぅんん」  鴉岬のベロがちょっと焦っていた。手の中でちんちん固くなってて、扱くだけ口の中の様子が変わっていくのが楽しかった。 「は……ぁっ、うぅ………っ、うんっ」  ぴちゃぴちゃ、シコシコ、音するのえっちだ。オレのおちんちんも勃起(おっきっき)しちゃった。 「はふ………っ、とょうら、い………」  ちょっと押してくる手に気付いて口離した。とろとろ~って糸が伸びてるの見えた。すぐ切れちゃったケド。 「何、鴉岬」  涙目が、なんかオレに「負けた……」みたいなカオしててコーフンしちゃうしかわいかったし、もっと気持ちいいコトしたくなった。 「もう、出るから……」  フツーにオナヌーだったら早いケド、ベロチュウ手コキはそれくらいキモチィ~から仕方ないね。 「いいよ、出しなよ。チュウしながら出すのが一番気持ちいいから」 「ん、待っ……とぅらい、」  オレは待たなかった。ピンク色できらきらしてる鴉岬の口にまたベロ突っ込んだ。鴉岬はまた後ろ側に首が倒れちゃってたケド、口の中いっぱい漁った。だってオレも気持ちいい。頭の中が気持ちいい。ちんちんもうずうずしてるんだけど、そういう気持ちよさより少なくても深いカンジ。 「んっ、は、……ああ!」  鴉岬がイっちゃった。手の中にどろどろって精子飛んできた。ぬちゃ~ってしててすごく濃い。チュウするのやめて、手の中の精子見てた。鴉岬の精子は黄ばんでもなくて白かった。透明な中に白いのが浮かんでる。で、鴉岬を見たら、くた~ってしてた。顔赤くして、息切らしてる。 「だいじょぶ?」  枕元のティッシュで鴉岬の精液拭いた。これなんかもうすごく事後(セックス)っぽいな。  鴉岬は少しはぁはぁしてたケド、すぐに起き上がった。ベッドから降りると、壁に手をついて、尻突き出す。 「挿れてくれ……奥が、寂しくなってきた……」  鴉岬はもうムラムラだった。オレもムラムラ。後ろ使うようになると、そこでイかないと満足しないのかもな。 「ゴム、ないよ」 「要るのか」 「鴉岬がいいなら、いいケド」 「挿れて……」  尻広げられて、また過激なオナヌーしたみたいで孔がマドレーヌ?カヌレ?みたいになってた。ひくん、ひくん、ってしてるの卑猥(わいひー)だ。 「ローションは」 「要らない……」 「ないん?」 「ベッドの横の抽斗(ひきだし)にある」  さすがに自傷オナヌーで気触(かぶ)れてるところに力尽くで突っ込むのはおちんちん道に叛くと思うんですケド。ぶちゅ~ってローション垂らしてから、亀さんの頭で塗りつける。 「挿れてくれ、島莱………挿れて……」  壁に張り付いてる鴉岬が尻振ってきて目の毒だった。オレは手を伸ばして、鴉岬のびーちく捏ねる。 「な、んで………っ、とうらぃ、なんで……っ」  オレが腰を前にすれば多分入るケド、もうちょっと鴉岬のカラダで遊びたかった。びーちく擂ってると、亀さんの頭つけてる腫れたカヌレがひくひくしててそわそわした気持ちよさがあった。 「キスしながらハメるとめっちゃトぶんだって。やろうね」  きゅんってお尻の穴が亀さんの頭を捕まえようとしてた。期待しちゃった?オレも期待しちゃった。 「あ……ぁ、とうらい……ほしい。挿れてくれ……腹の奥で、気持ちよくなりたい……」  亀さんの頭がぴゅんぴゅん跳ねちゃう。オレだって早く鴉岬のナカ入りたかった。鴉岬も尻振って押し付けてくる。びーちくこりっ、こりってすると、孔もきゅっ、きゅってなる。 「舌噛むなよ、鴉岬」  びーちくをくりくり転がしながら、オレは亀さんの頭だけ押し込んだ。 「あああんっ、あぁ!」 「鴉岬……!」  一旦止まるはずだったのに、気持ちよすぎて止まんなかった。全部入れちゃう。キンタマが鴉岬の小さな尻に当たっちゃった。 「とうらい……っ、とうらいッ、あ、ああ……」  壁に挟んじゃって身動きとれないはずなのに、鴉岬はびくんびくんして、オレのコト呼ぶ。鴉岬、多分イってる。ちんちんはぎゅうぎゅうに搾られて、ナカの(うね)りが気持ちよすぎる。腰動かしたいケド、感じすぎちゃいそうでダメだった。オレが動かなくても、鴉岬がイってる最中だから腰揺らしてて、勝手にストロークされてるんだもん。 「こんなペースでイってていいの?鴉岬」  乳首いぢめるのやめて、壁についてる手に手を重ねた。なんかセフレのカンケー超えてね?って思ったけど、もっと外側でも鴉岬を触りたかった。壁に挟んで、短く打ち付ける。

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