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第3話

 自らは直視出来ぬ状況に、類は司の腕を抱えたまま瞼を落とす。付き合ってから何ヶ月経ってもその初々しい恥じらい方に司の気持ちは高揚していた。辛うじて自由に使える右手で類のベルトを外し、ズボンのボタンを外し、時間をかけてゆっくりとファスナーを下ろして行く。 「……あ、あの、司、くん」 「? どうした、類?」  不意に類がそわそわと落ち着かないように身体を揺らす。焦れている訳ではなさそうだと不思議そうに司は首を僅かに傾けて聞き返す。 「…………硬いの、当たってるんだけど……」  まるっきり可愛らしい反応を目前で見せ付けられ、司は憤死するかと思った程だった。 「すまんな、類が可愛すぎるのが悪い」  二の句が告げなくなった類なりの抗議なのか、類は抱き締めた司の人差し指に小さく歯を立てる。指先へ走る愛しい痛みに司は目を細め、これ幸と人差し指を前後に動かしながらするりと類の口内へと指を差し入れる。 「ぅ、……ふはふぁ、……」 「舐めてくれ、類」  小さな戸惑いを見せた類だったが、熱に浮かされたような表情で小さくこくりと頷き、拙い舌遣いながらも司の人差し指を口内で飴玉転がすように絡ませる。 「類だって硬くなって……下着から飛び出してしまうぞ?」  下着越しにつぅと指を滑らせると、司の上で類の腰が跳ねる。 「…………い、ひふぁる……」  沢山の唾液を絡ませた指をゆっくりと類の口から引き抜く。唾液の糸が類の唇から繋がり、ぷつっと途切れて司の胸元へと落ちる。 「レースの下着や、もっと際どいものも考えていたのだが……やはり類の此処をちゃんと守ってくれる下着にしないとならんな」 「司くん、さ……」 「うん?」  司にしてやられるばかりでは流石に納得出来ない、と類は片手を司の横に着き身体を倒して司の耳元に唇を寄せる。  ――――下着を贈る理由って、その下着を脱がせたいという意味があるって知っているのかい? 「……えっ!?」  耳元で直接囁かれる類の声と、告げられた内容に司の鼓動が急激に早くなる。 「でも、約束は約束だから、下着は司くんには脱がさせてあげない。まだ」 「〜〜ッ、類! 性格悪いぞ!」  この期に及んでまだ生殺しが続くのかと、司は顔を赤くして抗議する。  ――――司くんが選んだ下着を、穿いたところは見せてあげても良いけどね?

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