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この広い世界でも*
「もっ、むりっ、…ゆー…さんっっ」
「気持よくない?」
「よすぎて…ヘンっになっちゃ…っ」
「ヘンになっていいんだよ」
「ぁっ、だめっ、も、動いてっ!俺の中っ、めちゃくちゃにして…っ」
身体を持ち上げられたと思ったら、次の瞬間……
腰がパン──って、激しく打ち付けられた。
悠さんが切ない声で、バカ、と呟いたのが聞こえた気がした。
突き上げる快感に、上がる声が抑えられない。
「あっ、ぁあっ……」
頭の中がスパークして、力が抜けた。
だけど悠さんの動きは止まらなくて……
「やっ、あっ、もうイッちゃ…ったからっ…はんっ」
首と腰を抱えられて、再び来る高波に翻弄される。
「出てないけどっ、カラでイッた…っ?」
「…あっ、わかんなっ…」
「カラならっ、またすぐイケるからっ」
「やっ、ふぁっ、あ…あぁっ、イッちゃう…っ」
「いいよ…っ何度でも、イッちゃえ、よっ……んっ」
一際強く深く突き抜かれて、頭が真っ白になった。
「……はっ…」
自分が息を吸う音で意識を戻すと、中でビクビクと悠さんのモノが脈打っていた。
温かいものが広がっていく。
なんだかしあわせな気分で、ぎゅって抱き付いてひとり笑っていると、頭上から、
「はぁあーーっ」
おっきい深呼吸。
繋がったまま、悠さんはお風呂場のイスに腰を下ろした。
「皐月ー、無理させてゴメンな」
抱きしめてくれるから嬉しいんだけど、その言葉の意味が分からなくて首を傾げる。
「体、辛くないか?」
「平気だよ。俺まだ若いもん」
「おじさんはもうダメだー。腰が辛くてもうガクガクだー」
「あははっ。後で揉んであげるよ」
「あー…、きもちい…」
脈略無く呟き、肩に顔を乗せてくる。
甘えてる。かわいいな…。
でも、ほんとにダメみたいだ。挿入りっぱなしのアソコ、もう復活しそうにない。
「あー…、取り敢えず、皐月の中、流さないとな」
「え、いいよ、しばらくこのままで。なんか勿体無い」
「だめです。お腹を痛くします」
「じゃあ、コレ抜く?悠さん」
「………」
結合部分を指差すと、悠さんはしばらく黙りこみ……
「今日は朝までこのままでいいか」
ポツリと呟いた。
って、待て待て、ちょっと!
「トイレ行きたくなったらどうすんだよ!俺、中におしっこされんの絶対やだよ!」
「細かいな。脱ゆとりか?皐月は詰め込み世代なのか?」
「いやいや、細かくないから!」
「よし!シャワー浴びて、湯船に浸かるか。折角溜めたし」
「もちろん浸かるけど、その前にコレを抜けーっ!!」
好きだけど、言うこと聞いてくれなくても嫌いにならないけど……
俺の中に排尿しちゃえるそんな変態な悠さんは、ちょっとイヤだと思った。
「俺、高校で皐月と同じクラスじゃなくてよかったよ」
「え、なに?」
「プールの時間とかさ、皐月のこのベビーピンクの乳首とか見せられたら、俺ずっとプールから上がれない状態になるだろ。お前、よく今まで無事でいたな」
「…何言ってるんデスカ。そんなヘンタイはこの広い世界でも香島悠ぐらいなもんデスヨ」
「なんで片言だよ。変態じゃないだろ、生理現象だよ。高校生だぞ。ヤバイぞ、高校生の精力は」
「…………」
それでも俺は、この人が好きなんです!
半ば自分を言いくるめる形で心に言い聞かせて、悠さんの胸にぎゅっと抱きついた。
抱き返してくれる手に、心がほわんとしあわせになる。
縮んだままでも俺的には充分規格外なモノをお尻の中に感じながら、しばらくはこのままでもいいかな、なんてちょっとだけ思っていた。
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『Prease marry me.』完
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