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いつもの匂いで[4]
「ひぅん…」
情けない声が出る。けど、悠さんは指を抜いてはくれなくて、
「可愛いな。皐月、いい子だ」
ほっぺにちゅーをして、賢者顔のまま移動をはじめる。
ずるい……。俺だけが、エロいみたいじゃん…。
歩く振動が響いて、その度におしりがきゅっと窄む。
きゅーきゅー締め付けてる自分が恥ずかしい。
「んっ…んぅ…ぁんっ…」
声も、勝手に漏れちゃうし。
「皐月、落ちちゃうよ?ほら、ちゃんと掴まって」
力なんて入る訳もないのに、そうやって意地悪言うし…。
おしりの下に───正確には、おしりに入った指の下に膝を当てて、よっ、と抱き直される。
「んーーっ!」
ばかぁっ!そんなに強くゴリってされたら、またイッちゃうじゃんかぁ!
ドアが開いて漸くベッドに下ろされて、ホッと息を吐きだした。
「気持ちよかったか?」
……さっきと目が違う…。
なにこの人。俺をからかう為に演技でもしてたってのか?
すっかり熱の戻った瞳で、荒く唇を奪われる。
「また泣いちゃったのか?」
唇が目尻に移動して、零れた生理的な涙を舌が舐め取った。
「ふぁ…ん…」
ちゅっ、ちゅっ、と移動しながら何度も口付けられて、ちょっぴりくすぐったい。
「皐月…、次はどうして欲しい?」
目を開けると、アゴに指を掛けられる。
普段は優しくて落ち着いた悠さんの、時々見せるオスの表情 に、心臓が跳ね上がった。
もっと舌で口内を犯して欲しい。
中を激しくかき混ぜて欲しい。
前を舐めたり吸ったりして欲しい。
いっぱい、いっぱい、おっきくて硬いモノで奥までメチャクチャに突いて欲しい。
お願いしたいことはいっぱい浮かぶけど、それはお願いしなくても全部やってもらえること。
だから、いつもはあんまりやってもらえないことをお願いする。
「悠さん、……乳首、いっぱい虐めてください」
「…虐めて欲しいのか」
初めの頃は俺の身体が受け入れるように出来てないからって、胸や前を中心的に触ってくれてた。
でも慣れてからはいつも我慢できなくて、早く挿入 れて、ってねだっちゃうから、いっぱい弄ってもらえなくなってた。
だって、気持ちいい事いっぱい覚えたのに胸だけでイッちゃったら勿体無いし、女の子みたいで恥ずかしいかもって思ったから。
だけど、今日は時間に際限なく、いっぱいイカせてくれるって約束してくれたから……
「ココで、イッてみたい…」
悠さんの手を自分の胸に導いて、おねだりする。
「なら、こっちはまたお預けだな」
おしりから指がプツッと抜き去られた。
「ひゃんっ」
また、そゆとこ擦るし!
「もーっ、悠さんのエッチ!」
「乳首を虐められてイッてみたい皐月にエッチと言われた香島悠、33歳」
「なんだよその変な自己紹介みたいのは!?」
「いや。俺はどれだけエロいんだろう、と思ってな」
からかうように笑いながら、乳首をクリッと摘んでくる。
「んぁっ…」
…ん…やっぱり、下半身にずくんずくんクる……。
初めはくすぐったいだけだったのに、ココも、悠さんに開発されちゃった…俺の恥ずかしいトコ。
「気持ちいいか?」
「うん……」
「もっと乱暴にして欲しい?」
「……うん…」
期待にほっぺが熱くなってしまう。
頷くのは恥ずかしいけど、前に一度だけ痛いくらいにギューって引っ張られてクニクニされた時、飛んじゃうんじゃって思うくらい気持ちよかったから。
「引っ張ったり、潰したり、噛んだり…してください…」
素直にやって欲しいことをお願いすると、悠さんは掌で顔を押さえて、はぁ───と、大きく息を吐きだした。
「そんなに可愛いことを言って煽られたら、いくら大人だからって、理性ブチ跳んじまうぞ」
「乱暴にしてくれる?」
「なにお前、乱暴にされたいの?大切にするって言ってんのに」
「大切に…、荒々しくして欲しい…かも」
指の隙間から覗く、野生の目に捉えられる。
ゾクゾクって、背筋に何かが走った。多分、恐怖とか期待とか不安とか悦びとか、そう言うのがない混ぜになった何かが。
「後悔するなよ。泣いても、許さないからな」
「………はい」
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