240 / 298
改訂・ネコちゃん版
「あ、でも、例えばこう言うのはどうでしょう?」
「ん?どう言うの?」
くそ~~っ。呑気に会話を続けてやがる!
……んでも、別に夏木がリアルに身体使って契約取ってきた訳でもないしな。
勝手な想像で怒るのもまあ、お門違いか。
夏木から視線を外して、気持ちを落ち着かせるためにカクテルを一口流し込んだ。
「可愛い男の子が恋人や好きな相手に命令されて、半泣きで真っ赤になりながら、下着を着けずに縄跳びをするんです」
関谷くんの突拍子もない言葉に、思わずブフッと噴き出した。
何言ってんだこの2人は!?ヘンタイか!!?
つか、口の中飲み干した後で良かったし!
「いやいや関谷君、それは流石に………、トップスは?」
「トップス?…あ、上半身に着る服のことですね!そうですねぇ……」
おい夏木!なにお前話に乗っちゃってんの!?
関谷くんもなんなの!?
「白シャツが清楚でいいんじゃないでしょうか。純白で、無知な子を自分の手で汚す様は、まるで積もりたての新雪に初めて靴跡をつけるが如く」
「ゴクッ…、なるほど…」
「裾は先が隠れるか隠れないかの微妙な丈で、ジャンプする度、捲れ上がってモノもプルンプルンと上下するんです。恥ずかしいのに見られていると思うと感じてしまって、段々と反応して赤く腫れてゆく先端からは粘液の糸が…」
「お、おぉぉ…」
関谷くん、大人しそうな見た目してとんだ変態だな!!
夏木も「おぉ」じゃない!
「確かに、巨乳の揺れは目を逸らしたくなるけど、ソコが無防備に揺れてたら……いいな!流石関谷先生!」
このっ、ド変態が!!何が流石だ!この変態師弟!
夏木の想像する相手って言ったら、リュートさんじゃん!
リュートさんを本人の知らぬ想像で、いや妄想で辱めてニヤニヤしてるなんて!
夏木、ちょーキモい!!
「おはようございます、オーナー」
他のお客さん達と話していたリュートさんが、ドアベルの音に気付いて入口に向けて声を掛けた。
「悠さんっ!」
リュートさんに挨拶を返す悠さんに、走り寄ってぎゅっと抱き付く。
「おかえりなさい。お疲れ様です!」
「ただいま、皐月」
悠さんは俺の身体を抱き返すと、頬にチュッと優しくキスをくれた。
「早かったね、嬉しい」
「お客さんがお酒の駄目な方だったからね。赤瀬さんのレストランで食事をして解散」
「と言う訳で、広川君、こんばんは」
悠さんの後ろから、悠さんよりも低い笑い混じりの声が聞こえてきた。
「わわっ、赤瀬さんっ!こんばんは!」
悠さんに夢中で赤瀬さんが居ることに気付いてなかった。
そんなこと、2人はとっくにお見通しなんだろう。
赤瀬さんは目尻を下げて俺を見下ろすと、小学生の子供にするように頭をやんわりと撫でてくる。
う……、いつもの事ながら、俺の中、悠さんだけでいっぱいなのがバレバレで恥ずかしい…。
ともだちにシェアしよう!