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第3話

椎葉弥月(しいばみづき)16歳、高校2年生。名前が女っぽいがれっきとした男だ。 実母がハーフだかなんだかで、生まれつきの明るい金に近い茶髪と中学のときに男が恋愛対象だってことに気づいてしまい、初恋は経験したが、まだ彼氏はできたことがない。 世の同性愛者はどうやって彼氏を作るんだ? なんて考えていた矢先、今年の4月に産休で休む先生の代わりに転任してきた、朝野を好きになってしまった。 まず、背高くていつも何だか気怠そうで声も低めだけど授業中は優しくてよく通る。 クラス替えで初めて名前を呼ばれたとき、その声と話し方にドキっとして、それから気付いたら毎日目で追っている。 毎日追ってるなんて何とも乙女ちっくな考えにふっと笑いが込み上げて来る。 何となく視線を感じた気がしてテニスコートに目をやるとーーー・・・・・・。 ーーー・・・・・・あ。 ーーー・・・・・・目が合った気がした。 それはほんの一瞬だったけれど、それだけでも嬉しくなる。 朝野のこと何も知らないけれど、見た目と話し方だけでどれだけ好きなんだよ、と突っ込みたくなるが・・・・・・。 ズルズルと壁を背にしゃがむ。 はぁぁぁ、好きだなあ。 でも朝野はノンケだろうしな。 はぁぁぁともう一度溜め息をついてから荷物を持って教室を出た。

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