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13:繋がって融けて溺れたい
どうなるか想像出来なくて怖いけど、なんでかこの人の言うことは信じられるような気がして。
「っん、んぅ……ッ」
とにかく痛みから解放されたい一心で、俺は外側に力を入れた。
だけど、
「っあ、うぁああ゙……!」
外に力を入れるということは、必然的に後孔が広がるってことで。
引っ掛かっていたカリが、ずるっと入って、あとはびっくりするくらい、引き込まれるように狭いナカを掻き分けて、全てが一気に収まった。
「っふぁ、ぅ、やぁ……っ」
急な刺激にびっくりしたものの、飽和状態の後ろの感覚に、ぶるっと身体が震える。
ナカが、満たされている。
ギリギリまで穴が広がって、痛くはないけど、キツい。下手に動けなくて、怖い。
俺、兄ちゃんのちんこ、全部銜え込んだんだ。
「大丈夫ですか……?」
吐息とともに吐き出される、余裕のない声。
Tシャツを捲り上げられてるから、直接背中に兄ちゃんの服が当たって、体温がじんわりと伝わる。
四つん這いの俺にのし掛かるような体勢だけど、その加減された重みが逆に、俺に安心感をもたらしてくれて。
「っはぁ、は……ッ」
何もしてないのに息が荒くなる。
少しの怯えと確かな興奮が、熱い後孔から全身に駆け巡る。
俺と同じくらい兄ちゃんの体温は高い。
尻に腰が密着してるのが分かる。
全部、入ってるんだ……。
声色は明らかに辛そうで、だけど俺が慣れるまでは動かないでいてくれる。
その優しさと、幸福感に似た気持ちが相まって、俺はやっと身体から力を抜くことに成功した。
「……すみません、痛いですよね……。馴染むまで動かないんで、安心してくださいね」
「っな、なあ……」
「はい……?」
「も、いいから、動け……よ」
「っえ、」
ぐんっ、とナカの存在が大きくなる。
後ろの、奥の柔らかいところが更に広がる感覚と、なんとも言えない沸き上がってくるような痺れに、身体がびくりと跳ねた。
「っあ、おっきく、すんな……!」
「す、すみません……っ」
「はやく、もう、大丈夫だから……ッ」
度重なる羞恥と、我慢。
長い間焦らされて、相手が男で自分が突っ込まれるほうだと言うのに、俺はもうすっかりその立場を受け入れてしまっているらしい。
鈍い痛みと焼けるような熱さの結合部から、じわじわと溢れてくる快感に流されるようにして、俺は急かした。
こんなので思いっきり突かれたら、多分まじで死ぬ。
だけど、それを期待してしまってる自分もいる。
「いいんですか?」
「いい、いいからぁ……っ」
甘えるような声が出て、男のプライドなんてあったもんじゃない。
自尊心すらどこかに置いてきた。
……今だけだ。
この閉鎖空間のせいで、いやらしいことをされたせいで、おかしくなってるだけ。
「無理そうなら言ってくださいね」
耳許で囁く低い声にドキリとする。
『今の自分はおかしくなっているから』と心のなかで言い訳して、俺の意識はすぐに行為へと向かった。
「っあ、ぁん……ひ、んんぁ!」
ばちゅばちゅと卑猥な音がする。
それは俺のケツからで、唾液やら先走りやら腸液やらで濡れたそこを、勢いよくピストンされる。
衝撃に身体が前へ逃げようとするのを抑え込まれ、そのころには俺はもう訳も分からず喘ぎまくっていた。
「っぅあ……っあ! だめ、そこ、いやぁ……ッ!」
内壁の腹側、ちんこの丁度裏あたりにあるコリコリしたところを熱い自身で突き上げられると、頭が真っ白になって。
暑くて熱くて、後孔から全身にかけてとろとろに溶けそうな錯覚に陥る。
ギリギリ体重を支えられていた腕が震えて、とうとうガクンッと崩れ落ちた。
「は、ぁあ……っあ、や、だぁ」
枕に頬を押し付けて、力の入らない手でシーツを掻いて、強い快楽に耐える。
気持ちいい、いいけど、攻め抜かれたことなんて今まで経験したことのない俺には、どうしても強すぎる。
「っひぁ、ぁ、も、だめ、だってぇ……っ」
「何言ってるんですか、ここも、こんなに美味しそうなのに」
そう言って、ぷつりと尖った乳首をきゅっと摘まれて。
親指と人差し指でくにくに潰すように揉み込まれて、引っ張る。
その甘い刺激が思考を麻痺させて、快感だけを下半身へ伝える。
下も、触ってほしい。
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