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再会

 そこに居たのは昔のように俺をみーちゃんと呼ぶたくちゃんだった。  落下したたくちゃんを拾いながら着地して、たくちゃんはどこも打たずに無傷だと思ったのに、急に気を失ったから宿直室を借りて寝かせることにした。  ボタンを外して服を脱がしても外傷は…やはりない。頭も打った音はしなかった。とっさの事だったけど、頭は一番守らなきゃってしっかり支えたからね。  寝不足で気絶するように寝たのかもしれないと、近くの売店でサンドイッチと野菜ジュースだけ買って戻ったら、目を覚ましたたくちゃんに、「みーちゃんの事忘れるわけないじゃん!」みたいな事言われた。  いや現にさっきまで俺の事忘れてたじゃん…。どう対応したらいいんだ。とりあえずただの同僚じゃなく、久しぶりに会った幼なじみって路線で話した方が混乱を招かないだろう。  では、たくちゃんに再会したら言いたかった事、早速言ってみようか。  ベッドに起き上がったたくちゃんの横に座る。 「たくちゃん久しぶり。俺、久しぶりにたくちゃんに会った時、たくちゃんが小児科医だったら言おうって決めてた事があるんだ」 「なぁに?」 かっわいい!ついさっきまでの同僚もさ男に対する態度と、幼なじみのみーちゃんに対する態度がこんなに違うなんて!  「なに?」って首をかしげて上目遣いされるだけでこんなにも可愛いなんて!  再会してから今まで俺はこんなにも損をしてたのか!勿体ない!早くこんなたくちゃんが見たかった!  完全に俺の事を幼なじみで体が弱くて自分が守ってあげなきゃならないみーちゃんとして見てる!絶対に!可愛い!可愛い!可愛い!言って引かれないかな?でも決めてきたんだ!よし! 「たくちゃんがね、俺の事思って小児科医になってたら。俺と真剣に付き合って下さい。って、言おうと心に決めてたんだ」  ポカーンとした顔で俺を見つめた後、ボンっ!と音がしそうな勢いで真っ赤になったたくちゃん。 「それって、もしかしてなんだけど、恋人になっての付き合って?」 目を合わせて頷く。 「わっ……みーちゃんと…。俺で良かったら、その…ヨロシク」 ベッドの上に正座してお辞儀しながらヨロシクって、なんて可愛いんだたくちゃん! 「でもあの、俺としてはみーちゃん守りたい願望があったんだけど、そんなに成長して、大きくなったって事は、案外健康体になってる?それって、俺がネコって事?あっ、ネコって分かる?男同士でエッチする時、突っ込まれる方な。えっ、こんな事言ってみーちゃん引かないかな、大丈夫?」  怒涛のように喋りだしたたくちゃん。うんうん、なんとなく言いたい事は分かった。たくちゃんとしては、俺は守ってあげたい幼なじみだったんだよね。でもね。 「今はこんなに健康体になったし、力もついたから、今度は俺に守らせて?」 正座してたたくちゃんを、抱き上げて、お姫様抱っこ。間近で目を合わせながらそう言うと、たくちゃんは赤いままの顔で、こっくりと頷いた。

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