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 考えに考え抜いた結果。何も身につけず布団にくるまって待つことにした。  ねぇ、俺。セフレ待つ時いっつもどうやって待ってた?肉欲だけだからなんも恥ずかしいとかなかったから、自分がどんな格好してようとどうでも良かったはずなんだよ。始まっちまえばどうせ全部脱いでるはずだし。余裕ぶっこいて口でイかせるのも少しの興奮材料くらいにしか思ってなかったし。  なのに今、布団の中で自分の心音が煩い。煩くて仕方ないからテレビつけても、テレビの出演者たちが何で笑ってるかちっとも入ってこない。  なんだよこれ。俺どうしちゃったの。  体勢定まらないままに、あたふたとチャンネルを変えたり、防水のシーツにしようかとベッドの下に備え付けてある引き出しから引っ張り出してシーツの上に敷いてみたり。  この落ちつかなさ何なんだ!動きまわってても心音は益々大きくなって、これ心臓破裂しちゃうんじゃないか?なんて、医者にあるまじき事まで考えた。  んで、また布団にくるまったとこでみーちゃんがガチャっと出てきた音…。  まだ今から体拭いて、髪乾かしてから来るはず、落ち着け俺。言い聞かせてゆっくり深呼吸してたのに、すぐに足音がしてみーちゃんの重みでベッドが軋んだ。 「たくちゃん…俺もう無理。たくちゃんが俺の為に洗浄して待っててくれてると思ったら、、シャワー浴びてすぐに勃起しておさまらない…少し抜いてからのがたくちゃん楽かなと思っても、早くたくちゃんとこ行きたくて…」  あぁ、俺だけじゃなくてみーちゃんも余裕ないんだ…。大きなみーちゃんが焦った表情してるのが愛しくて、布団から出て両手をみーちゃんの方に伸ばした。  ごめんねごめんね、俺が忘れてたせいで、ずっとアプローチしてくれたのに断り続けてごめんね。そんな気持ちを込めて、みーちゃんの顔を引き寄せて口づける。 「んふっ、んんっ」 自分から舌を絡めにいったのに、気持ちよくて声が漏れる。ねぇみーちゃん。しつこいけど、俺昔の頼れるたくちゃんじゃないからね。たくさん甘えても幻滅しないでね?   「ここ、俺に解させて」 耳元で言われたら頷くしかなくて、オイルの瓶を開けて手に取るみーちゃんカッコいいな…ってぼんやり見てた。身長の割に短い俺の指よりずっと長い指。男らしくごついわけじゃなく、ピアニストみたいなスラッとした長い指。  どこまで届くんだろう。期待と緊張で唾が溢れてきて、ごくりと飲み込んだ。

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