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レースのカーテンの向こうに見える外の景色は、夕暮れだった。うっ、、身体中が痛い…。
「あ"ぁーー、あ"ーーーー」
試しに声を出してみると、掠れた声。
昨日の夜からの出来事が甦ってくる。
…凄かった…。こんなに満足して身体中ぐったりなのに幸せな気持ちで満ちてるのは初めてだ。気がついたらベッドで濡れたシーツは外してあるし、いい匂いが漂ってきてる。
「たくちゃんやっと起きた?喉渇いたでしょ?」
持ってきていた私服に着替えたみーちゃんが近づいてきて、ペットボトルの水を口に含んでから、口移しで飲ませてくれた。
飲みきれなかった水が口の端から流れて、その水はみーちゃんが舐めとってくれる。
「喉渇いた…まだ足りない…」
そう言うと、何度も口移しで飲ませてくれた。ダルいとはいえペットボトルくらい持てなくないから、ただ甘えたかっただけ。
私服のみーちゃん。病院への出勤退勤で見るようなジャケットじゃなく、ゆるっとしたパーカーを着てて、これもカッコいい…。
エッチしたからカッコよく見えるとかいうアレじゃなくて、俺の幼馴染みのみーちゃんは最高にカッコいいと思う。
「どうしたの?ジーっと見て。まだ足りない?」
「大丈夫…」
寝起きで水飲ませてもらって彼氏に見とれてたって幸せじゃん?
その上…
「なぁ、なんか俺の家からしたことのないスゲー食欲誘う匂いがするんだけど」
「あぁ、これね。たくちゃんグッスリだったから、その間に食材頼んで持ってきてもらって作ってた。キッチン借りたよ。ついでにワインもあるから、起きてディナーでもどう?」
あぁ、これが看護師たちの言ってたスパダリかと思い出す。
俺より先に起きてて美味しそうな料理まで作ってくれてるって、完璧すぎね?俺は何がしてあげられるんだろう。
「ふふっ、たくちゃんの寝顔たくさん見られて最高に幸せだった。しかもエッチなことしてこんなに満たされた気分なの初めてだよ。たくちゃんの事、諦めなくて良かった」
何がしてあげられるだろうなんて考えようとしたけど、このデレッデレなみーちゃんの顔見たらさ、俺ってば、みーちゃんの側にいるだけでいいんじゃね?って変な自信湧いちゃうよ?
「シャワー浴びてから食べる。シーツとか、ありがとな」
「いいえ~、防水シーツ上に敷いとくなんて、たくちゃんてばさすがだね~」
起き抜けよろよろしながらカッコわりぃけど、みーちゃんに近づいてって耳許で囁いた。
「今まで離れてた分愛してやるから、覚悟しとけよ、翠」
シャワーに向かいながら、チラッと振り向けば、耳許まで真っ赤で立ち尽くしてるみーちゃんがいた。
fin
翠&匠、応援ありがとうございました♡
次回からオムニバスで進む予定です。
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