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 手だけじゃ無理かな。しかも俺の手小さいし、口も使うようかな~って思ってたら、みーちゃんは案外呆気なく達してくれた。 「はぁ、たくちゃんヤバい……たくちゃんから触ってくれるだけでこんな気持ちいいんだ」 「そうなの?」 「だって俺、こっち帰ってきて同じ職場になってから、毎日お昼誘うくらいずっとたくちゃんに片思いしてる状態だったんだからね…その相手が、こんな近くに…触れる位置にいてくれてるって感極まっちゃって…泣きそう…」 ぐすっぐすっ、鼻をすする音が聞こえて、みーちゃんの目も潤んでて、本当の気持ちを伝えてくれてるんだって思う。  体は成長して大きくなったけど、みーちゃんの根本的なとこは変わってないんだ。そう思ったら大きな体のみーちゃんが昔のミーちゃんと重なって、成長したみーちゃんも守りたいなって、上から抱きしめた。  あっ、手にみーちゃんの出したのそのままじゃん。あれ?しかも、全然ぐったりしてないアレが見える。 「みーちゃんティッシュ取って」 「たくちゃん、抱き締めてくれて嬉しいけど、本番はこれからだよね」  仰向けに倒されて視界が代わり、上から男の顔になったみーちゃんが見てる…。  俺の手から白いのを取って、下に塗りつけられた、奥の方まで。歯で一個目のあれを破って着けてるとこも、なんかいちいち仕草でドキドキする。心臓静まれ、みーちゃんに聞こえるの恥ずかしい。 「さっき十分解したと思うけどゆっくり入れるね」 「うん、……あぁっ、ふぅ…んっ……」 解してあるのにしっかり深呼吸しないと苦しい。ゆっくりゆっくり入ってきてくれてる。段々繋がってるとこが増えてく充足感。もっと、一気に動きたいだろうな、もどかしいだろうな。 「いいよ、来て」 「たくちゃんっ」 「んんっ!やぁっ、」 「きっつ…締め付けヤバいね」  目一杯拡げられてる感じ。動かないで待っててくれてるみーちゃんの顔に余裕がない。 「みーちゃん。いいんだよ、好きに動いて」 「たくちゃん…ごめん、そんなこと言われたらほんとに止まんない…」  拡げられてる感覚に慣れてる体はすぐに快感を拾って、甘い声が止まらない。恥ずかしかったはずなのに、声を抑えることなんてできない。 「あぁっ、みーちゃん……みーちゃん…」  体位を変えられると、その凶悪と言ってもいい大きさのがゴツゴツと奥に当たる。 「みーちゃん、キスして…」 起こしてもらって対面で下から突かれながらキスをねだる。  甘い声は全部みーちゃんの咥内へ。  たくちゃん好きだよの言葉とともにどっちが達してるのか分からない感覚になって、みーちゃんと一体化してる気分で幸せな時間だった。  何度も、何度も繰り返して、声が枯れて出るものも出なくて、窓の外が白んできた頃、「ごめんねごめんね、たくちゃんに無理させちゃったね」なんて言うみーちゃんの声を聞いたような聞かなかったようなボンヤリした中、俺は半ば気を失うように眠った。

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