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休息4(※)

「ハッ…」 熱い溜め息と頭に置かれた大きな手。 …グチュ、チユ…、チュクッ 「ンッ…フッ…ッ…気持ち良いか…?」 俺は蒼牙自身に唇と舌を這わせていた。 …まさか自分が男のものを口で愛撫する日が来るなんて。 一度口で触れてしまえば躊躇いなんか消えてしまい、興奮した頭は羞恥心すら感じなくなっていた。 「…ッ…はい、凄く」 上目遣いで尋ねた俺に、蒼牙は息を詰めながら答える。 頭に置かれていた手が耳に移動し、優しく撫でてきた。 「…ン、良かった…」 また口を寄せる。 熱い塊はどんどん硬くなり角度を変えていく。 それが愛しくて、嬉しくて…俺は口の中にその熱を迎え入れた。 「ンッ…悠さん、」 …ピチャ、クチュ…チュッ、ヂュッ 口に入りきらない根本部分は手で刺激し、出来る限りの愛撫を施す。 自分がされた時のことを思い出しながら、吸い上げたり、舌で刺激したりした。 気持ち良くなって欲しい。 俺を感じて欲しい。 頭にあるのはそれだけで、口の中で先走りを溢すそれを丁寧に舌で舐め取った。 「ウッ、…アッ、悠さん、それヤバイから、」 先端を舌でグリッと刺激すると、頭に置かれていた手に力が入る。 「ンッ…フッ……」 頭と手を動かし、先走りと唾液でヌルつくそこを愛撫し続ける。 …イッて欲しい。 その一心で吸い付いた。 先端に軽く歯を立て、続いて尖らせた舌先で刺激すると、「ハッ、…すご、…ッ…!」と蒼牙が腰を浮かせる。 グチュグチュッ…チユ…ジュプッ 卑猥な音を響かせて奉仕する今の自分は、ひどく浅ましい姿をしているのだろう。 けれど、そんなことを気にする余裕なんてなくて、ひたすらに蒼牙が気持ち良くなることだけを願う。 「ハッ、もう、限界…だから…ッ…!」 頭に乗せていた手にさらに力が篭り、強い力で引き離された。 それが不満で声を発しようとした瞬間。 「…ッ…!」 ピシャッと顔に熱い液体が掛かった。 「…ッ…ゴメン!!」 慌てて身体を起こす蒼牙が顔を拭おうと手を伸ばしてくる。 それを手首を掴んで止めさせると、俺は頬を伝う精液を反対の手の甲で拭った。 …イッてくれた。 そのことが嬉しくて、手の甲に付いたそれを舐める。 少し苦い独特の味。 でも愛しい男の精液に不快感なんて感じるはずもなく。 俺は言葉を失って見つめてくる蒼牙に、艶然と微笑んで見せたー。

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