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明かす

side 悠 「…辛くない?身体」 キッチンで昼食の準備をしていたら、後ろからフワリと抱き締められる。 シャワーを浴びてきた蒼牙はまだ髪が乾いていなくて、首筋に水滴が落ちてきた。 「大丈夫だよ。それよりも、また濡れたままじゃないか。風邪引くぞ。」 振り返って首に掛けていたタオルでワシャワシャと頭を拭いてやる。 大人しくされるがままの蒼牙は、何かを言いたそうな顔をしていた。 …さっきのセックス中もおかしかった。 『絶対に離さない』 何故あんなことを言ったのか解らないが、不安や不満があるのなら話して欲しい。 どんなことでも、ちゃんと向き合いたいと思うのは俺の我が侭かもしれないが。 それでも… 俺はカレーの火を止めると、蒼牙に向き直り頬に手を伸ばした。 「…蒼牙、何を悩んでる?」 蒼牙は一瞬目を見開くと、困ったように笑う。 「なんでさっき、『離さない』なんて言った?」 まるで繋ぎ止めておこうとするかのようなセックスだった。 揺さぶられる激しさにしがみついたのは俺なのに、蒼牙はまるで俺にすがっているかのようで。 目を見つめ言葉を待つ。 やがて蒼牙はゆっくりと口を開いた。 「…座って話すよ。」 そう言って蒼牙はもう一度俺を抱き締めると、「後でカレー食べるから。」と呟いた。 「…悠さ、昨日清司さんと知り合っただろ。」 リビングに隣り合い座り込み、蒼牙が話を切り出す。 …清司さん? 一瞬誰のことか分からず考えるが、定食屋で知り合ったイケメンのことを思い出す。 「…雛森さんのことか?…え、何で知ってる?」 隣に座る蒼牙を見つめ尋ねる。 「雛森清司さん、その人は俺の『叔父』だよ。」 蒼牙の口から出た言葉に驚いた。 「叔父って、あんなに若いのに?」 まだ30代前半に見えたが…実は意外と年だったのか? 「まあね。清司さんと俺の母親が姉弟なんだけど、年は離れてるから。」 「そうなのか。」 驚いたがひどく納得した。 通りで、笑った顔が蒼牙と似ていたわけだ。 「…で、あの人も…吸血鬼。」 「…ッ…」 続けられた言葉に驚き声が出ない。 蒼牙の叔父さんなんだから当たり前だが、そこに頭が回らなかった。 「……。」 そのまま蒼牙も黙ってしまう。 どこか言いにくそうにしている様子に不思議に思い、声を掛けようとした時、 「…悠に目を付けた。」 蒼牙がそう呟いたー。

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