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自覚
side 悠
腕時計を確認すると7時35分、もうすぐ秋山くんが来るだろう。
会いたい、会うのが怖い…二つの気持ちがせめぎあう。
何やってんだろ。会って何を話したいんだろう…俺は。
この二日間、考えるのは秋山くんのことばかりで。
こんなに人のことを考えるのは初めてで。
自分のこの気持ちが何なのかハッキリさせたい。モヤモヤしたまま過ごすのは苦手なんだよ。
そんなことを考えているとホテルの裏口から出てきたのであろう秋山くんが走ってきた。
「すみません!遅くなって!」
「お~お疲れ。悪いな、急に。」
「いえ、ぜんぜん!」
ニコニコと笑顔全開、本当に嬉しそうな様子に、こっちまで嬉しくなる。
おーおー…シッポが見えるよ。
ブンブン振ってくれちゃってまぁ。
…ちくしょう、可愛いじゃないか。
あぁ、これはもうどうしようもないな。
認めれば簡単なことで、これからの事を考えるとやっぱり怖いけど。
だけど君のその笑顔を見たら自覚したよ。
俺は君が好きなんだ。
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