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渇望(※R18表現有)
悠さんの自宅に着き玄関に入ると、俺はたまらず後ろから抱き締めた。首筋に顔を埋め、昨夜付けたばかりの跡に口付ける。
「…吸うなよ、また寝るから。」
クスクスと笑いながらそう言う悠さんに、
「…我慢します。」
と笑い返した。
玄関先で盛る俺に「せめて部屋に入れてくれ。」と振り向き様告げる悠さんの唇にキスを落とす。あまりにも余裕がない自分が可笑しかった。
「…がっついてごめんなさい。」
しぶしぶ身体を離し靴を脱ぎ上がると、先に歩いていた悠さんに壁に押し付けられた。そのままの勢いで唇に噛みつかれ、舌を差し込まれる。
「…ンッ」
どちらのものか分からない声が上がる。
押さえ付けられたまま悠さんの腰に手を回し、ジーンズからシャツの裾を引っ張り出すと、出来た隙間から両手を忍ばせ滑らかな背中を撫でた。
優しく上下に手を行き来させる。
「…フ…ンッ」
小さな喘ぎが耳を擽る。その間も悠さんからのキスは続き、気付けば一つに纏めていた後ろ髪はほどかれコートは脱がされていた。
お互いを貪るようなキス。
…ハァと荒い息を吐きながら唇を離すと触れそうな距離で囁かれた。
「…お前だけが我慢してたと思うなよ。」
言われた言葉に顔が赤くなる。
悠さんも同じように欲していてくれた。
その事実を告げられて、喜びと同時に貴方の優しさに泣きたくなった。
「…悠さん、甘やかしすぎです。」
ギュッと抱き締めると、耳元で「俺のが年上だからな。」と笑う声が聞こえた。
俺より少し小柄な悠さんの身体をベッドに運び押し倒した。
まだ外は明るくて、薄いカーテンからは光が入ってくる。
「…まだ夜じゃないですけど。」
悠さんの服を剥ぎ取りながら囁くと「じゃあ日が暮れるまで待つか?」と笑われた。
「待ちません。…というか待てません。」
さっきのキスで自身にはもう熱が集まっていて、これ以上の我慢は無理だった。
悠さんに馬乗りになり、俺も服を脱ぐとベッドの脇に落とす。
「…うん、俺も無理だわ。」
その様子を見ていた悠さんが両手を伸ばし、首に巻き付けてくる。
「…お前、カッコよすぎ。心臓に悪いんだよ。」
囁かれ引き寄せられる。
片手を外させ指を絡めると、誘われるままに俺は悠さんの唇に口付けたー。
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