43 / 347

渇望(※R18表現有)

悠さんの自宅に着き玄関に入ると、俺はたまらず後ろから抱き締めた。首筋に顔を埋め、昨夜付けたばかりの跡に口付ける。 「…吸うなよ、また寝るから。」 クスクスと笑いながらそう言う悠さんに、 「…我慢します。」 と笑い返した。 玄関先で盛る俺に「せめて部屋に入れてくれ。」と振り向き様告げる悠さんの唇にキスを落とす。あまりにも余裕がない自分が可笑しかった。 「…がっついてごめんなさい。」 しぶしぶ身体を離し靴を脱ぎ上がると、先に歩いていた悠さんに壁に押し付けられた。そのままの勢いで唇に噛みつかれ、舌を差し込まれる。 「…ンッ」 どちらのものか分からない声が上がる。 押さえ付けられたまま悠さんの腰に手を回し、ジーンズからシャツの裾を引っ張り出すと、出来た隙間から両手を忍ばせ滑らかな背中を撫でた。 優しく上下に手を行き来させる。 「…フ…ンッ」 小さな喘ぎが耳を擽る。その間も悠さんからのキスは続き、気付けば一つに纏めていた後ろ髪はほどかれコートは脱がされていた。 お互いを貪るようなキス。 …ハァと荒い息を吐きながら唇を離すと触れそうな距離で囁かれた。 「…お前だけが我慢してたと思うなよ。」 言われた言葉に顔が赤くなる。 悠さんも同じように欲していてくれた。 その事実を告げられて、喜びと同時に貴方の優しさに泣きたくなった。 「…悠さん、甘やかしすぎです。」 ギュッと抱き締めると、耳元で「俺のが年上だからな。」と笑う声が聞こえた。 俺より少し小柄な悠さんの身体をベッドに運び押し倒した。 まだ外は明るくて、薄いカーテンからは光が入ってくる。 「…まだ夜じゃないですけど。」 悠さんの服を剥ぎ取りながら囁くと「じゃあ日が暮れるまで待つか?」と笑われた。 「待ちません。…というか待てません。」 さっきのキスで自身にはもう熱が集まっていて、これ以上の我慢は無理だった。 悠さんに馬乗りになり、俺も服を脱ぐとベッドの脇に落とす。 「…うん、俺も無理だわ。」 その様子を見ていた悠さんが両手を伸ばし、首に巻き付けてくる。 「…お前、カッコよすぎ。心臓に悪いんだよ。」 囁かれ引き寄せられる。 片手を外させ指を絡めると、誘われるままに俺は悠さんの唇に口付けたー。

ともだちにシェアしよう!