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愛しくて4(※)
暗い室内にピチャッ··と音が鳴り響く。
下着から取り出した蒼牙自身は熱く脈打っていて、硬く反り返ったそれに丁寧に舌を這わしていった。
根元から亀頭にかけて何度も往復し、時折吸い付いては唇で挟み込む。
「···ッ、··ンッ、」
頭上から聞こえてくる噛み殺した声が色っぽくて、もっと聴きたくなる。
尖らせた舌先で先端を擽ると、蒼牙が頭をゆっくりと撫でてきた。
「··ハッ、悠、あんまり刺激しないで。このままイッちゃいそうだから···」
その少し掠れた声に感じてくれていることが分かり、上目遣いで蒼牙を見上げて微笑んだ。
「···このままイッてくれ、···ンッ、」
そうしてまた蒼牙自身に舌を這わしながら、口に入りきらない根元部分は手で扱いて追い上げていく。
クチュ、グチュ··ピチャッ
音を響かせながら夢中で愛撫する。
先端に吸い付き、口の中に深く迎え入れる。
ジュプジュプと唾液を絡め、頭を上下に動かして蒼牙自身を口から出し入れした。
舌を絡めて刺激を送れば、頭を撫でていた手がグッと強く掴み引き離そうとしてきた。
「···ンッ、本当に、もう離して··クッ、」
「ンッ、フッ···」
余裕のなくなった声に蒼牙も限界が近いことを悟り、吸い付く力を強くした。
引き離そうとする手を掴みどかせると、先端に軽く歯を立て、次いで舌でグリグリと刺激を送った。
「クッ、ウ··ァッ!!」
低い呻き声が聴こえると同時に口の中で蒼牙自身が震え、熱い迸りが広がる。
「ンッフッ、···ンッ、」
ドクドクと吐き出される白濁を口で全て受けとめると、俺はゴクリと音をたてそれを飲み込んだ。
少し苦味のある、独特の味。
蒼牙自身を口で愛撫することは何度もあったが、飲み込んだのは初めてで。
不快感など感じるはずもなく···むしろ蒼牙が俺の愛撫でイッてくれたことが嬉しくて、口から出した蒼牙自身にもう一度チュッと音を響かせて口付けた。
「····ッ!!」
口の端に付いた白濁を指で拭いながら見上げると、そこには言葉を詰まらせた蒼牙の顔があった。
「···蒼牙?」
僅かに息を切らせ、俺を凝視するその顔は赤くて。
初めて見る表情に此方まで赤面してしまう。
···まさか、
「もしかして···お前、照れてるのか···?」
おもわず口を吐いて出た言葉に、蒼牙がフイッとそっぽを向く。
その仕草があまりにも可愛くて、俺は顔がにやけるのが止められなかった。
「あんまり見ないでくれる···」
ポツリと呟かれた言葉と、赤くなった耳。
···嘘だろ。
散々俺には恥ずかしいことをするくせに、まさか飲んだだけで照れるなんて。
クスクスと笑いが溢れる。
少し汗ばんだ身体にすり寄ると、俺は蒼牙の顔を両手で挟み俺の方に向き直させた。
「···嬉しい。」
「·····」
「蒼牙が気持ちよくなってくれて、嬉しい··」
目を見つめながらそう囁き、そのまま形の良い唇に口付けた。
自分の放った精液を受け止めた口で口付けられても気持ち悪いかもしれないが、それでも蒼牙とキスをしたくてたまらなかった。
「···ンッ、フッ··」
「··ハッ、悠···」
ピチャッと音を響かせ舌を絡める。
熱い手が腰に回り、擽るように背中を撫で上げてくる。
「···チュッ、今度は、悠が恥ずかしくなる番···」
「···え、うわっ!」
キスの合間に囁かれた不穏な台詞を聞き返す前にグルリと身体を反転され、あっという間に押し倒された。
「こんなに煽ったんだから、覚悟して。」
ニッと笑った蒼牙に左手を掴まれ下半身に導かれる。
さっきまで口で愛撫していたそこは、イッたばかりとは思えないほどに熱く、そして硬くなっていて。
「え、あ、嘘だろ···ンアッ!」
ドキドキと煩い心臓の上に蒼牙が口付けてくる。
強く吸い付き紅い痕を残すと、確かめるようにそこを舐め上げる。
「···貴方は俺のものだから、身体も···心も全て。」
熱を含んだ蒼い瞳と視線が絡み胸が苦しくなる。
「蒼牙···」
もういつもの調子に戻った恋人に微笑んで見せると、膝を立て蒼牙の身体を脚の間に迎え入れた。
いつの間にか蒼牙はローションを手に取っていて、キャップを開く音が静かな室内に響く。
「···ん、早くお前で満たせ···」
小さく呟いた言葉。
でも、蒼牙は聞き逃してなどいなくて。
「···煽りすぎだよ··」
「ンッ、あぁッ!」
ローションを纏った長い指が後孔に触れ、差し込まれていったー。
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