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愛しくて3(※)

まだカーテンを引いていなかった部屋の窓からは月明かりが射し込んでいて、電気が点いていなくても蒼牙の姿がハッキリと確認できる。 俺の上に馬乗りのまま、蒼牙は自身の服を脱ぎ捨てる。 男らしいその姿に胸がドキドキと煩く鳴った。 そうして覆い被さってきた蒼牙に早急に服を脱がされ、首筋や肩、胸元に優しい口付けが降ってくる。 チュッチュッと吸い付き時折強く吸われれば、そこに紅い痕が残されていった。 「...ん、蒼牙、」 けど...胸元に吸い付くくせに、感じる胸の尖りには触れてこない。 手で身体中を優しく撫でるくせに、下半身にも触れようとはしてこなかった。 「な、んで..ンア、」 ちゃんと触れて欲しくて抗議しようとしたその時、首筋に沿って上がってきた唇が耳朶を食み舌で愛撫された。 クチュクチュという音が直に耳に響き、頭が痺れる。 早くちゃんと触れて欲しいのに... 「ね、悠..言って?」 「え、ンア...フッ、」 甘くて色を含んだ、でもどこか意地悪な声が囁く。 「悠、お願い...俺は早く貴方を抱きたい。」 「ンア、あぁッ...」 唇が首筋に戻り、軽く噛まれる。 その行為は蒼牙に血を吸われる時を彷彿とさせて、身体中が甘い痺れと期待で震えた。 この部屋に来るときにも言わされた。 言葉にしないかぎり今日は触れないつもりなのか。 ...早く抱きたいのなら、どうして... そう疑問に感じた時。 「言って。俺だけじゃない、こんなにも欲しがっているのは貴方も同じなのだと、感じさせて....」 甘えるように呟かれ、胸が痛くなった。 そんなこと口に出さなくても分かるだろ...と思いつつも、蒼牙に懇願されれば抗うこともできなくて。 もどかしくて震える手で顔を引き寄せると、目を見つめながら囁いた。 「...ん、ちゃんと触れ...もっと蒼牙が欲しい...」 口付けながら蒼牙の手を掴み、自らの下半身に導く。 恥ずかしさよりも、蒼牙に触れられたい気持ちのほうが強くて。 「中まで、お前で満たせ...ンアッ!」 脚を開き蒼牙の身体を挟み込むと、自身をキュッと握られ声が漏れた。 「ん、最高だね...いっぱい愛させて。」 綺麗に微笑みながら握っていた手をユルユルと動かし始め、期待に震えていた自身に一気に熱が集まる。 クチクチ...と音をたてながら扱かれ、空いた手が身体をまさぐる。 「ンア、あ、...フッ、」 焦らされた身体は与えられる快感に従順で、噛み殺せない喘ぎ声が口から洩れた。 「可愛いね..」 囁きながら唇が重なる。 下唇を食めば開いた唇から蒼牙の舌が覗き、誘われるままに吸い付いた。 互いの熱を奪うかのように深く重ね、何度も離れてはまた重なる。 やがて熱い唇は顎を伝い、喉を舐め、肩から胸へと下りていった。 「ンアッ! あ、ぁあッ!」 胸の尖りにたどり着いた唇がチュッと吸い付き、そのままクリクリと尖らせた舌で刺激してくる。 クチクチ..クチュ、 グリグリ、クチュ..クチ、クチ.. 「あ、あ、ンア..あぁッ!」 自身と乳首、感じる場所を同時に責められて腰がひくひくと痙攣する。 舌だけではなく指まで使って両方の乳首を刺激され、強い快感に涙が滲む。 「そ、が..ンッ! もう、ダメ、あ、ああ!」 胸の上で頭を揺らす蒼牙の肩を押しながら限界を伝える。 甘い刺激に自身は張り詰め、今にも欲を放ってしまいそうだ。 「チュッ..ん、いいよ..イッて」 自身の先端を指の腹でグリグリと刺激され、吸われて尖った乳首を舌で絡めるように舐め上げられれば我慢なんかできなくて。 「ウアッ、あ、ああぁッ!!」 促されるままに、蒼牙の手の中に欲を放ってしまう。 身体がビクビクと震え、強い快感を逃そうと身体を捩る。 それでも蒼牙から与えられる愛撫は続き、晒した首筋に吸い付き痕を残していった。 「気持ちよかった?」 ハァハァと息を整える俺の顔を覗き込み、優しく頬を撫でてくる。 返事なんかできなくてコクリと頷けば、ニッコリと嬉しそうに微笑みながら「良かった。」と口付けられる。 男の色気を纏った顔と艶のある声。 その姿に身体の奥が疼いた。 「...でも、まだ足りない。」 蒼牙の背中に腕を回ししがみつきながら耳元で小さく囁くと、ギュッと強く抱き締め返してくれる。 ...俺も蒼牙を気持ちよくさせたい。 愛しくて愛しくて...優しく甘いこの男を俺も愛してやりたい。 そんな強い想いに駆られ、俺は力の抜けた身体を起こした。 「...悠?」 俺が身体を起こしたのを見つめていた蒼牙の肩を掴みグッと力を入れて引っくり返すと、俺はその上にのし掛かった。 「今度は俺がする...」 「え...んッ!」 一瞬キョトンとした蒼牙がかわいくて、クスッと笑って見せると俺は蒼牙の腹にキスを落とした。 割れた腹筋に舌を這わせ時折吸い付くと、大きな手が頭を撫でてくる。 「無理しなくて良い...」 優しいその声に胸が締め付けられる。 俺は頭を撫でる手を握ると、いつも俺がされるように指先にキスをしながら蒼牙を見つめた。 「...無理なんかしてない。俺がしたいんだ。」 「...ッ! ウアッ!」 そうしてゆっくりと下半身に手を伸ばせば、蒼牙の口から声が洩れる。 珍しいその声に心臓がドクッドクッと跳ねる。 蒼牙のそこは熱く、そして硬く主張していて、ズボンの中では窮屈そうで。 恥ずかしさで震える指を動かし、蒼牙のフロントを寛げた。 チュッチュッと腹にキスを落としながら少しずつ下に移動していく。 「ハッ..、悠...」 蒼牙のどこか上擦った声が頭上で聞こえた。 視線を向けると欲に濡れた瞳が俺を見つめていて、その姿に愛しさが増す。 「ん、お前も気持ち良くなって...」 そう微笑んで見せると、蒼牙のそこに顔を埋めていったー。

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