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第8話 ヤラシイ身体2
快楽のあとのけだるさにたゆたっていると、兄が瞳の中を覗き込んで来た。
こういう仕草をするときは兄が淫らなおねだりをするときである。
「ねー、知矢―、今度は上に乗っかかってくれる?」
上に乗っかかるイコール騎乗位ということだ。
知矢にとって騎乗位は恥ずかしくてたまらない体位だった。典夫は知矢が自ら腰を使うよう要求してくるし、体重がかかるから、いつもより深く繋がっている感じもする。
騎乗位は恥ずかしかった……そう少し前までは。
でも知矢にだって欲望はある。毎夜のように兄に抱かれ、体は快楽を覚え、知矢もまたより深い悦楽を求めるようになってきたのだ。
そういう意味ではより深く繋がることができ、兄の端整な顔が悦楽に染まるのを目の当たりにできる騎乗位は知矢の大好きな体位になっていた。
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