「やぁ、やぁ…もう…はっううんっ」 食事も取らずにベッドに籠るなんて、自分の行動に驚くほどだ。 何度も肌を重ねても飽きることなく、歩を求めてしまう。止まらない。 「歩…こっち向いて」 辻堂はズルッとペニスを引き抜き、歩の向きをごろんと変える。やっぱり向かい合ってキスをしたり、セックスをしたいと欲張ってしまう。 上から押さえつけるように抱きしめた。歩が肩にキスをしてくるのがわかる。たまらなく可愛く思えてしまい、また無理をさせそうな気がする。 「や、や、ふ…深い…」 ぐずぐずと、奥深くまでペニスをゆっくり沈めていく。歩の中は気持ちがいい。このままずっと収めていたい気持ちと、激しく腰を打ちつけたい気持ちが交差する。 「どこがいいか…教えてくれ」 歩の足を肩に乗せ、奥深くまで腰を送り込んだ。ねっとりと歩に包まれるのを感じ、そのままペニスを奥までぐりぐりと押し付けた。 「いやぁぁぁぁ…いくから…やぁ」 歩のペニスが勃起し、ふるふると震えている。辻堂はそのまま歩の腰を掴み直し、激しく腰を前後に打ちつける。 ぐちゅぐちゅという水音、二人の息遣いが部屋に響いている。 「い…く…やぁぁっ」 「歩、俺も出すぞ…くっ…」 歩が先にピクッと飛沫を上げた。腹にかかっていて、いやらしくみえる。それを見ると更に興奮してしまい、ガツガツと腰を送り、辻堂も遅れて歩の中に射精した。 ぐっぐっと、中に放った精子が辻堂の動きに合わせて音を立てていた。 「大丈夫か…？」 「…激しすぎ」 「すまん、堪えきれなかった」 食事をしようとしたところ、抱きかかえられてベッドに沈められたなんて、確かに酷いことだなとわかっている。 「何…？なんかありました？」 愛おしくて、たまらなくなった…なんて、恥ずかしくて言えなくなってしまった。どのタイミングで愛おしくなったかなんて、きっと、歩にはわかるはずはない。 ギフト無しを救うために、ブラン共和国は動き出している。今日オンラインで集まった皆は、歩以外ギフト無しだった。 その中で歩だけはギフト保持者だったが、歩自身、ギフトありなし分け隔てなく素直に話に加わっていた。 自分の意見を持ち、ブラン共和国の国王と同じように、自分に出来ることの最善を尽くしている。ギフト無しに対しても、何ができるだろうかと考えている姿が歩には見られた。 そんな姿を見たら、たまらなくなった。 ギフトを手放したことは後悔していない。 だけど、ギフトとは何かと常に考えている。 人にとって、あって当たり前なもの。多くの人がギフトのことをそう言うだろう。 だけど、本当にギフトは必要なものなのだろうか、ギフトとは何を意味するのだろうかと、辻堂は考えていた。 はっきりとした答えは出ないが、歩と暮らしていてわかったことがある。 ギフトはやっぱり、その人を幸せにすることは間違いないということだ。ギフト保持者自身も、その周りにいる人にも幸せになると感じる。 ギフト自身が幸せにしてくれるのではなく、たったひとつだけ持てるギフトを、どう使おうかと考える本人が、周りをも幸せにしてくれると、歩と過ごして感じている。 「もーう…何？なんですか？黙ってないで教えてくださいよ」 ベッドの中で歩が抱きついてくる。 「…いや、お前といると楽しいよ」 「えーっ？答えになってないですよ。何を考えてるか？って聞いてるんです！」 あははと辻堂は声を上げて笑うと、歩もつられたように笑い出した。世界が動き出しても近くに歩がいればいいと、心から思える。 「それより、お前…誰にその指輪のこと言われたんだよ。教えろよ」 「いやぁ、まぁ、いろんな人に？言われますけど…」 「だから、誰に何を言われたか教えろよ…」 歩の唇に音を立ててキスをした。 「えっと…」 さあ、俺のギフトを今日も可愛がろう。 end