5 / 5

俺を見つめるお前が悪い! (5)

「ちょ、ま、待って待って待って理人さん待って……!」 「待たない」  乱れた冷感シーツの上をさらにクシャクシャにしながら佐藤くんを、じわじわと追い詰める。  そんな俺の手には、鍵を解かれたばかりの貞操帯。  実際に手にとってみると、驚くほど軽くて、でも、ものすごく卑猥だ。  ついに壁際まで追い詰めると、佐藤くんは両手でガバッと股間を覆った。 「なに出し惜しみしてんだよ。どうせ大したモンじゃないんだから、さっさと出しやがれ」 「意地悪してごめんなさい! でもそれだけは言わないで……!」  ぶるぶる震えながらも、佐藤くんは頑なにソコを解放しない。  うーん、どうしてやろうか……よし。   「あっ、あそこ!」 「え!?」  俺につられて斜め上を見た隙をついて、佐藤くんの両手首を確保する。  そして、頭上に引っ張り上げると、ガチャンっと手錠をかけた。  え、どこから手錠が出てきたのかって?  もちろん、三日前に届いた箱の中からだ。  貞操帯と一緒に俺〝に〟使う予定だったらしいけど、「理人さんが思ったよりチョロかったから必要なかった」――なんて言われたら……なあ? 「つーかまえた」 「ま、理人さん!?」 「ん?」 「いや、ん? ……じゃなくて!」  全身をよじって逃げようとする佐藤くんのパンツを、えいっと下げる。  すると、萎んだままのソレが露わになった。  そっと持ち上げると、佐藤くんの膝がピクンと跳ねる。  あー、くそ。  元気なくてもサイズだけはでかいんだからな、このやろう。 「ちょ、ちょっと! なにする気ですか!」 「これ、付けてやる」 「要らない! 要らないから……っく」  貞操帯は、思ったより簡単に装着できた――けど。  シリコンをまとってヒクつくそれを見下ろしていたら、なんだか……うん。  ものすごく…… 「えろい……」  俄然やる気の沸いてきた俺は、脚を持って佐藤くんの身体を引きずり倒した。  悲鳴を上げながら仰向けになった佐藤くんが、俺を見上げてゴクリと唾を飲み込む。  後から聞いたところによると、俺は「飢えた獣みたいなものすごくギラギラした瞳で見下ろしながら、舌なめずりしていた」らしい。  ジタバタする佐藤くんの脚にまたがり、腕を伸ばしてボトルを取る。  蓋を開けて握りしめると、透明の粘液が手のひらの上にトロン……と落ちてきた。  佐藤くんの喉が、ヒュッと鳴る。 「ま、まさか、本気……?」  は?  今さらなに言ってんだ。 「俺が今まで本気じゃなかったことなんてあるか?」 「……」  そのとき聞こえたサーッという音は、きっと佐藤くんの血の気が引く音だ。  一気に青白くなった恋人の顔を見下ろし、俺はテカる左手を構えた。 「お尻でイく気持ち良さを教えてやるよ」 「いやあああぁぁーー…!」  fin

ともだちにシェアしよう!