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夏祭り編 第12話
抱きしめられ抱きしめて吐き出されるもの全部受け止める。
余韻を味わいながら余韻にずっとひたっていたくてキスし合う。
呼吸荒いまま角度替えてねっとりと舌を絡めあった。
糸引くくらいのキスを終えて至近距離で見つめ合う。
「……気持ちよかった」
「俺も」
まじで外で最後までしちゃったよ!
っていまさらだけど気恥かしさに顔がへらっと緩む。
そんな俺の頬を撫でて笑う優斗さんに帰ったらもう一回―――なんてキリないことを考えてたらドーンって大きな音が響いてきた。
空を見上げると遠くに色鮮やかな光。
「あ、始まったんだ」
露店見て回りたかったし早めに出てきてたから花火自体はまだ始まってなかったのか。
途中から花火のことなんか頭からすっかり抜けてた。
「せっかくだから見に戻ろうか?」
身体を離した優斗さんがポケットティッシュで白濁を拭いとってるのを眺めながら大きく頷く。
「うん! 見たい!」
一発ヤってスッキリだし! いや、二回出してちょいダルイけど、花火はやっぱり見たいしな。
微笑んだ優斗さんは身づくろいを整えると、俺の浴衣も整えてくれた。
ちょっと皺になってるけどもう暗くなってきてるしそんな気にならないだろう。
「じゃあ行こうか」
表通りに出るまで手を繋ごう、と手を差し伸べる優斗さん。
俺は緩みっぱなしの顔でその手を取った。
そしてふたりで上がる花火を眺めながら会場へと向かっていった。
―――んだけど。
「……う」
歩くたびに奥から優斗さんの白濁が流れて出てきそうになる。
尻の筋肉力込めながら歩いてると内股ぽくなるし。
まわりの人たちはみんな花火に夢中だから俺の歩き方なんて気にもしないだろうけどさ。
「捺くん?」
「ん、うん?」
こぼさないようにしないと!
って気になりまくってたら優斗さんが袖を引っ張ってきた。
「大丈夫?」
「あ、うん! 平気!」
身体のことを気遣ってくれる優斗さんはやっぱ優しいなぁってニヤケてしまう。
手、また繋ぎたいな。
でも人いるしなぁ。
「……っ」
そんな俺の迷いを見透かしたかのように優斗さんの手が触れてきた。
人差し指がさりげなく俺の小指に絡んでくる。
目が合うと微笑んでくれて、俺も嬉しさに微笑んで、ドンドン打ちあがる花火を見上げた。
キレーだなぁ。
大好きな人と一緒に綺麗な花火を見れて幸せ絶頂の俺に、
「捺くん。俺が出したの、絶対こぼしちゃダメだよ?」
って優斗さんが耳元で囁いた。
その一瞬、腰を撫でられて。
「……っ、え!?」
いまなんて言った!?って優斗さん見たけど優斗さんは花火に集中していて。
「……うん」
小さく、花火の音にかき消される俺の返事。
そうして俺はマンションに帰りつくまで意識を尻へと集中させていたのだった。
―――来年はちゃんとゴム持ってこよう!
【夏祭り☆おわり】
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