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はじめてのF ①

それは五度目のことだった。 「っ、ん……」 深いキスを交わしたあと潤んだ目で俺を見つめる捺くん。 こうして彼に触れるようになって、今日で五度目。 初めて会った日からもう一月が経ち、こうして会うのが習慣のようになりはじめている気がする。 ――俺としては嬉しいけど。 このまま流され続けてくれれば、なんていう大人げないことを考えながら捺くんをベッドに押し倒し、すでに硬くなっているものに触れ唇を寄せようとした。 途端、 「あ、優斗さん、待って!」 と動きを止められる。 顔を上げれば顔を真っ赤にした捺くんが身体を起こして目を泳がせながら俺の肩に手をおいた。 「どうしたの?」 「……っ、あの……、ちょ、ちょっと!」 そう腰を引いて俺の手から捺くんの半身が離れていった。 「……いやだった?」 これまでもしたことあるはずだけど、今日は気分じゃないんだろうか。 「いやじゃない! ただ……」 「ただ?」 おずおずと上目遣いで捺くんが俺を見つめ、そして俺の半身に触れてきた。 「……いつもしてもらってばかりじゃ悪いし……だから……その、俺シていい……ですか」 ふぇら、と恥ずかしそうに笑って。 「……え」 呆気にとられているうちに捺くんが俺の股間に顔を近づけてまじまじと半身を眺め唇を近づけてきた。 「え、ちょ、捺くん」 そんなことしなくていいよ、という前に不思議そうに俺を見上げつつぱくりと俺のものが咥えられた。 「ッ――!」 濡れたあたたかい咥内の感触に思わず息を飲んだ。 「っ」 ぬるり、と半身につたわる温かな濡れた感触。 そして舌が絡みついてくる。 直接的な刺激と、俺のを咥えてるのが捺くんだという目の前の現実。 上目遣いで俺の様子を伺いながら舌を動かしだす様子に半身は限界まで硬くなってしまう。 しゃぶり、舐めて、と反応を確かめつつ与えられる刺激。 技巧的にどうこうというよりも視覚的なものだけでいままでにないくらい高揚して、張りつめている。 「……ン……っ、は」 俺のを頬張ってたまに漏れる吐息が甘く聴こえる。 必死な顔で、だけどしゃぶっている捺くん自身も興奮しているような雰囲気もあって、思わず手を伸ばして頭に触れる。 力は込めずにさらりとした髪に指をしずめると俺を見上げ、 「きもち……いい?」 と聞いてくる。 「……うん、とても」 笑顔を向けると嬉しそうにして「じゃあもっと頑張る!」とさっきよりも大胆に咥え込んでくる。 最初はぎこちなかった舌の動きも、俺の熱を上げるように焦らすように竿を舐め上げて先端をくすぐって。 思わず眉を寄せ競り上がる吐精感に堪える。 さすがに咥内に出す気なんてないから途中でやめさせるつもりだ。 だけど捺くんが俺のを咥えてるのをもう少し見ていたいという気持ちもある。 「……捺くん、もういいよ」 それでもやっぱりこんな可愛く奉仕してくれる捺くんの中に挿れたいという想いのほうが強くてそう声をかけた。

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