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ハッピーハロウィン1

「Happy Halloween!」 そうみんなで叫んでクラッカー鳴らした。 ハロウィンの今日、たまにはパーっと楽しもうって話になって、優斗さんや松原、智紀さんとそして実優ちゃんや和たち友達も呼んでみんなでハロウィンパーティすることになった。 ホテルのスイートルーム!をとってパーティとかすっげぇ贅沢。 飾りつけもみんなでして料理もお菓子も酒もたくさん用意してある。 みんなそれぞれ仮装してて優斗さんはドラキュラでめっちゃカッコイイ。 松原は海賊で智紀さんはお医者さん。その恋人の千裕くんはおばけ。和は軍服着てる。 実優ちゃんの子供の昂大は猫耳つけた化け猫っぽい恰好で、女の子たちは色違いだけど同じ魔女っ子。 で俺は―――。 「なんで俺だけ」 「似合ってるよ」 ため息つくと優斗さんが笑顔で慰めてくれる。 似合ってる……つったって、二十歳過ぎた男が……女装って!! 俺だって別の仮装を予定してたのに実優ちゃんたちに拉致られて問答無用で女装させられたんだ。 真っ白なフリルたっぷりのワンピース。スカートのところがふわふわ膨らんでてわりとミニ。 でもって背中には小さな天使の羽に、白のニーハイ履かせられた。 髪もウィッグつけさせられて頭にも白い……ベールっていうのかな?、花の飾りがついた……ヘッドドレスかなんかよくわかんねーけどつけられてる。 「でもさー。デカイ男が女装とか」 「そんなことないよ。捺くん細いから大丈夫。高校の時は可愛いかったけどいまはプラスしてすごく綺麗だよ」 「……そ、そうでもないよ」 優斗さんってマジで本心って感じだから嬉しいけどすっげぇ照れるんだよな。 「本当に可愛いよ。いますぐ食べたいくらい」 「へっ」 俺の耳元でこっそりと囁かれる。 顔が熱くなるのを感じてたら、 「trick or treat! お前ら二人だけの世界に浸ってるな。バカップルめ」 って、うんざりとした様子の松原が言ってきた。 「ごめんごめん」 「バカップルじゃねーっつーの!」 優斗さんは苦笑しながら、俺は「らぶらぶカップルが正解だろ!」って言い返しながらみんなのところに向かった。 そしてみんなで「trick or treat!」って言い合って、お菓子もらったりあげたり。 飯も食いながらお菓子も食って、んで酒も飲みまくって楽しい時間はどんどん過ぎていった。 ***

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