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ハッピーハロウィン2
うあーちょっと酒飲み過ぎたかもしれねぇ。
顔も身体もすっげぇ熱い。
手うちわでパタパタあおぎながら、そういやさっきトイレにたった優斗さんがまだ戻ってきてないことに気づいた。
優斗さんも結構飲んでたからな、大丈夫かな?
女の子たちはほとんど飲んでないんだけど、男はかなり飲んでて、千裕くんなんて酔ってるからかかなり智紀さんにべったりくっついてる。
あれ明日思い出したらすっげぇ落ち込むんだろうな。
にやにやしてる智紀さんを横目に優斗さんの様子を見にトイレへと向かった。
「優斗さん、大丈夫?」
ドアノックして声をかけてみる。
けど返事はない。もう一回ノックしたらカチャリと鍵が開く音が響いた。
恐る恐る開けてみると洗面台に手をついた優斗さんと鏡越しに目が合う。
無駄に広いトイレに俺も足を踏み入れる。
男二人入っても余裕の広さがすげぇ。
「飲みすぎて具合悪い?」
「……ん」
顔を洗ってたらしく濡れた顔を備え付けのペーパーでごしごしと拭き優斗さんは俺を見て―――
「うわっ」
手を引っ張ったかと思うと抱きしめた。
そしてすぐに唇が触れ合う。
絡みついてくる舌に口の中が酒気で充満する。
俺も優斗さんも飲みまくってたからキスでも一層酔いそうだ。
密着した身体から優斗さんの心臓の音が伝わってくるけど酔いのせいかめちゃくちゃ早い。
でもって熱い手が俺の素肌を這って―――って!?
「優斗さん待って、待って!」
スカートの裾からもぐりこんで太腿に触れてきた手を慌てて押さえる。
「どうして?」
「どうして……って」
不思議そうに潤んだ目を向けてくる優斗さん……色気が迸ってるんですけど!
「だ、だって向こうにみんないるんだよ」
「……でも……俺捺くんとエッチしたいんだけど」
「……」
酒って怖ぇ!
いやもちろん普段だって積極的だけど、さすがに人前でとか知り合いが同じ部屋にいるのにとか、そんなところで常識的な優斗さんがこんなこと言うなんて普段ならありえない。
どんだけ酔ってるんだよ。
「いや、あのほら……別に部屋取ってるしさ。あとで、ね?」
もう少しで解散するだろうし、って言えば優斗さんは残念そうに眉を下げた。
うあー……なんだろ、年上なのにごめんでも可愛いんですけど!
あーもうそんな顔されたら早く部屋行きたくなるっつーの!!
「……捺くん」
俺を抱きしめたまま優斗さんが熱の籠った目で見つめてくる。
「……とりっく……おあ……とりーと」
「……は?」
「trick or treat……」
「……あ、ああ」
なんだ突然。酔っ払いはわかんねぇな……。
それにもうお菓子交換もしたんだけど。
俺なんか持ってるかなー……ってポケットない……けど。
「これでいい?」
優斗さんと同じく酔っ払い智紀さんがロリポップキャンディーを俺の腰のところにあるリボンに結びつけてたのを思い出してそれをあげた。
「……これ……。俺も智紀からもらった」
「……あー……そうだね」
「捺くんは……他の男からもらったものを俺に渡すんだ?」
「……え」
哀しそうな目をした優斗さんが哀しそうに呟く。
「えっと、いや、えー……っと、じゃあ向こうに戻ってお菓子……」
「お仕置き……だね?」
「……は?」
なんでー!?って思ってる間にまた口塞がれて息もできないくらいのキスをされた。
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