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ケーキと一緒に 〜メリクリ🎄〜2
「クリスマスにこういうこと言うのもどうかなぁとは思うんだけど」
「……へ?」
「捺くん、ちょっと智紀に隙見せすぎじゃないかな」
「……え」
「結構智紀とこの手の話よくしてるよね?」
「……」
してる、かな?
いや、でも別に他意はなくって、大学の友達とだって飲んでる席なんかで結構えぐい話するし。
まぁ下ネタ系は男ならしょーがないっていうか。
「や、あの……。優斗さんも……する、よね?」
優斗さんの場合職場のひとたちと、とかはないだろうけど。
松原と智紀さんが揃って男だけだと絶対そういう話はでてくるはずだ。
「……俺はいいの」
「え……ッん」
なんで、って思わず言いそうになったら指先で胸の突起を捏ねられて言葉にならなかった。
「俺はあの二人の話聞いてるだけだし。そういうネタは話半分にしてるから。晄人や智紀の下ネタなんて真面目に聞くだけ無駄だしね」
「……」
ゆ、優斗さん、何気に冷たい。
確かにあの二人は酔っぱらうと卑猥すぎなんだけど。
猥褻物認定されちゃうんじゃねーのかってくらいトークが過激になるから、俺も話半分にするようにはしてるけどさ。
「でも捺くんは結構しっかりがっつり聞かせられてるよね。智紀が恋人にしたプレイの内容とか」
「……」
「あんまりこういうことは言いたくないけど……。俺と智紀はほら……その上だけど、捺くんは下だし……」
上と下?
歳が、じゃねーよな。
この場合……俺が女役ってこと、なんだろうな。
ほんの少し顔が赤くなってるっぽい優斗さんをまじまじと見つめる。
「だから……、あんまりいろいろ詳細に聞かされるのはどうかと思うんだ」
「……」
「他意はないとは思うけど」
「……」
「でも」
「あの、優斗さん」
俺は思わず遮ってた。
なに、といつもより饒舌になってた優斗さんが目をしばたたかせる。
「それって―――ヤキモチ?」
「……」
「……」
「……」
気まずそうに、優斗さんが俺から目を逸らした。
その耳が絶対赤くなってる。
うわあああ! やっべぇ、なんだこれ、まじでヤバイ!!!
「……いや、別に……」
なんて誤魔化すように呟いてるけど、視線は泳いでるし、ヤキモチやいてましたって言ってるようなもので。
「優斗さんっ!!」
一気に俺のテンションは上がって身体を起こすと優斗さんに抱きついた。
「心配しなくっても大丈夫だって! だって智紀さんのはまじでただのノロケだし!」
確かにいろんなプレイしてる話を聞かせられるけど、本当に智紀さんのはノロケだ。
絶対恋人くんがいかに可愛いかーとか延々と一緒に聞かされるし。
「……そう、だね」
「優斗さん!」
まさかヤキモチやいてる優斗さんを見れるなんて思ってもみなかったから、今日だけはちょっと智紀さんに感謝しつつ、俺はケーキから生クリームをすくうと舌先にのせて優斗さんの唇を塞いだ。
甘い、甘すぎるキスをプレゼントすると、最初固まってた優斗さんも俺を抱きしめてくれて応えてくれた。
イチゴと違って生クリームはあっというまに溶けて、あとはその甘さを味わいながら舌を絡め合わせまくる。
糸がひくくらい深いキスを交わして、優斗さんはため息をつくと俺の肩に顔を埋めた。
「……ごめん。なんか俺ってすっごくバカだね」
「そんなことないって! 俺いまむちゃくちゃ嬉しい」
まさか智紀さんにヤキモチやいてたなんて意外すぎたし、申し訳なかったなとも思うけど、どうしても顔が緩んでしまう。
「優斗さん。確かに生クリームプレイすすめられたけど、それをシたいなーって思ったのは優斗さんとだからだよ? たまには……そういうのも楽しそうかなって」
身体を動かして優斗さんの顔を覗き込んで言えば、じっと見つめ返された。
すこしして、ふっと優斗さんが微笑む。
「そうだね。俺もちょっとだけ……話聞いたとき楽しそうかもしれないとは思った」
「だよね!?」
視線を合わせて、吹き出すように笑いあう。
そして―――
「じゃあ、仕切りなおしシようか?」
「うんっ」
というわけで。
「……ん……ぅん……っ」
またイチゴのキスからはじめて―――ケーキプレイなんていうものを俺たちは楽しんだのだった。
これがまじで結構燃えた(智紀さんにはナイショだけど)。
最後には身体中がベタベタになって風呂入りなおして、そんで風呂でもまたシて……。
朝方までごろごろとベッドの上でじゃれまくってた。
「優斗さん」
「なに?」
まどろみながら優斗さんの耳元に口を寄せる。
―――また、シようね。
俺がこっそりそう言えば、小さく笑った優斗さんが俺の耳朶にキスを落として。
―――じゃあ、俺の誕生日に予約しておこうかな。
なんてことを言ってくれて。
ケーキよりも甘い時間に俺のクリスマスは最高のものになったのだった。
ってことで!
みんなもHappy Merry Cristmas!!
おわり☆
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