1 / 136
第1話◆Stay with me「高校生編」◆「始まり」*仁
「――――……彰 が好き。ずっと、好きだった」
高一のある日。
オレは、義理の兄の彰に、そう告げた。
戸惑ってる唇にキスして、好きだと迫った。
◇ ◇ ◇ ◇
あき兄 に初めて会った時の事、オレは覚えていない。
オレ、高橋 仁 が三才。
あき兄、倉科 彰 が五才の時だったらしい。
オレの母さんと、あき兄のお父さんが再婚を考えていて、オレ達を、初顔合わせさせた。
結局、はしゃぎすぎたオレが眠りに落ちる夕方まで一緒に遊んだと、母さんが今でも笑う。
その後、二人は再婚して、オレは「倉科」姓になった。
兄弟になった最初の頃のことは、全然覚えていない。
でも、覚えている限りずっと昔から――――…あき兄のことが一番好きだった。幼稚園の頃には、一番好きなのはあき兄だと言ってた。それは、覚えてる。
いつも優しい。にっこり笑う顔が好き。
時に、かっこいい兄貴として、守ってくれるところも好き。
とにかく、大好きだった。
小学生の頃にはもう、あき兄のことを可愛いと、思っていた。
離れて生まれた、弟の和己 を可愛いと思う気持ちとは、別の気持ち。
自分の知る世界の中で一番、あき兄が可愛いと、思っていた。
◇ ◇ ◇ ◇
第一話・後書き
◇ ◇ ◇ ◇
初めて読んで下さる方へ。
第一話読んでくださってありがとうございます。
初・兄弟。義理にしている理由は、血のつながり込みではどつぼにはまって話が進まなそうなので、一歩逃げた私です。
「男同士・義理とはいえ兄弟」という枠を、兄がどうやって乗り越えて想いを自覚していけるか。がテーマなので。
ウダウダぐるぐる、同じ事で相当悩みます。そして少しずつ進むけど、進み切れなかったりします。
でも、散々悩んだ分も幸せにしてますので、お付き合い頂けたらいいなと思っています。
モヤモヤからの、幸せ。
楽しんで頂けますように☆
ともだちにシェアしよう!