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第6話

 ルーク様から指定を受けた時刻に城に上がる。  今回は話が通っているのか、城の召使いがすぐにルーク様の私室へと案内してくれた。  扉の内側には俺一人が入り、ゆっくりと扉が閉じられる。 「ルーク様、エリックが参りました」  そう呼びかけたが、返事はない。足が自然と寝室へ向く。ノックをすると「入れ」と短い応答があった。  扉を開けると、室内は薄暗く、寝台には前回来たときにはなかった天蓋がしつらえてあった。レースのような薄い素材でできていて、ルーク様の影がうつっていた。  ゴクリと喉が鳴る。  寝台のところまで歩みを進め、「入りますよ」と声をかける。  ゆっくりとレースをずらすと、ゆったりとしたシルクの寝間着を着たルーク様と目があった。 「よく来たね、ありがとう」 「とんでもないことです。俺なんかで本当によいか、わかりませんが、精一杯がんばります」  寝台にのぼり、向かい合わせに座る。 「始める前に、2つ約束してくれないか」 「はい、なんなりと」 「これからここで行われることは生涯秘密にすること」 「はい、もちろんです」 「それから、閨の指導の間だけはエリックと対等の立場でいたい。私のことをルークとだけ、呼んでくれないだろうか」  どうしたら、よいのだろう。驚きですぐに言葉が出てこない。 「……本当によいのですか?」 「敬語もなしだ、エリック」 「あっ……すみません……いや、ごめん………ルーク」  決死の覚悟でそう言うと、花のような微笑みを浮かべてルーク様が微笑んだ。  ルーク様の腕が俺の身体を包む。仄かに花の香りが漂う。見上げると、微笑んだままで俺の顔を見つめていた。その顔を見ていると、箍が外れそうになる。  男性同士だとか、王族相手とか色々と思い悩んだことがあっという間に霧散する。俺の下半身は明確にルーク様に対して欲情していた。  細い理性の糸が切れないようにしながら、ゆっくりと顔を近づけていく。花の香りがだんだん強くなっていくような気がする。 ルーク様の唇は、記憶どおりとても柔らかかった。角度を変えて、口づけを繰り返す。だんだん息遣いが荒くなってしまう。ルーク様も苦しそうで、口を少し開けたところで我慢ができず、自分の舌をねじ込んだ。  舌をノックし、絡ませ、優しく吸ってみる。ルーク様は目を閉じたまま、ほんの少し苦しそうにも見えた。その姿にまたゾクゾクしてしまう。  俺はルーク様の頬を包んで、口内の深くまで舌を入れた。歯列をなぞり、唾液を交換する。上顎を舌でくすぐるとビクンとルーク様の身体が跳ねた。最高だ。 「…っつ……はぁ………ル、ルーク、どうだ?」 「……ん。…気持ちいい……エリック」  ルーク様の目がとろんとしていて、色っぽい。  キスを繰り返しながら、お互いの服を脱がせ始める。白くてきめ細かな素肌は、触れているだけで気持ちがいい。  身につけたものを全て取っ払って、生まれたままの身体で向き合う。華奢なようで、その実、しっかりとした筋肉に守られた身体がそこにあった。髪の毛と同じブロンドの下生えと、それに似つかわないほどにそそり立ったものも目に入る。 「……ルーク様、お辛そうですね、一度出しますか」 「ルークだ。ルークと呼んでくれ」  切なそうな瞳に見つめられると、どんなことでもしてあげたくなってくる。 「…ご、ごめん。じゃあ、ルーク、一度出そうか?」 「どうやって? エリックが教えてくれ、頼むよ」  俺はゆっくりと手を伸ばし、ガチガチになった肉棒を掴む。先端を優しく親指で擦ると、すぐに透明な液体があふれてくる。 「このまま手でイクか、それとも……」 「うっ……それとも…?」 「…これだよ」 そう言うと、ルーク様を見上げつつ、口の中に肉棒を迎え入れる。

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