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第4話 Ⅰ章 魔軍宰相オルフェーヴル

「そう、私に教えて下さったのは勇者様ご自身ですよ。勇者ができるのは、勇敢に道を開く事だって。 魔族と人間との和平が結ばれたのも、勇者様が双方に和解の道を開いてくれたからです」 「これからは、魔族も人間も、誰も傷ついたりしない優しい世界を築きたい」 「そうですね。私も勇者様の願いにお力添えができたらと思っております」 「ありがとう。これからもよろしく、オルフェ」 「はい。そろそろ、カモミールティーが良い頃合いです」 「じゃ、俺も!」  元魔王軍幹部・魔軍宰相オルフェーヴルが、俺の側近だ。 (信じられない事だけど)  でも。現実の話。  オルフェは魔王軍を再編成し、人間との共存に必要な公共事業や教育に力を注いでくれている。  本当は、寝る間も惜しむくらい忙しいのに。  甲斐甲斐しく俺の世話も焼いてくれる。  これには、事情があって〜〜  俺だって、ちゃんと役に立たないと!  オルフェに呆れられないように。『できる勇者様』の実力、見せないとね。  まずは…… 「布団をたたみます!」 「ベッドメイキングでしたら、後で私が致しますよ」 「いえ、俺が!……わっ」  ムギュン  布団をめくろうとして、体勢を崩して倒れた体が、シーツの中で何かを掴んだ。  ムギュムギュン  何これ?触り心地いい。  ムギュン♪

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