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第11話

「……様、如何なされましたか?勇者様」  ハッとして、開いた視界に艷やかな蜂蜜色瞳の色が溶け込んだ。 「どうかされましたか?」  うぅん……と首を横に振った。 「ぼぅっとしてごめん。まだ寝惚けてるのかな?」  へへっと笑う。  レベル1勇者は余計な心配をかけちゃいけない。  それが今の俺にせめてもの出来る事だ。  頑張らないと! 「そうだ、服」  いい加減、服着たい。  全裸でオルフェは恥ずかしくないかも知れないけど、俺は恥ずかしい。 「お召し物はこちらに」 「ありがとう」  今日も勇者のローブをまとう。  魔王討伐の勇者だった頃は、勇ましい鎧をまとってたんだけどな。 「勇者様の鎧兜その他装備品は、本日城の衛兵が引き取りに来るそうですよ」 「えっ」  もしかして顔に出ちゃってた?俺? 「勇者の剣も一旦、宝物庫で保管するそうです」 「あの話、本当だったんだ」 「そのようですね」  俺達二人、感慨深く頷いた。  俺は勇者として。  オルフェは、敵だった魔軍宰相として。  思いはそれぞれ。 「城では大臣達が臨時予算編成に追われているらしいですよ」 「本気なんだ〜」  うっうっうっー 「おや?勇者様は余り嬉しくないご様子で?」 「当然だよ!」  だって…… 「勇者博物館なんて恥ずかしい!!」

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