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第14話
ドオオォォォオン!!
まただ。
地響きで館全体がしなるようにうねる。
「勇者様」
バランスを崩して、ベッドのシーツにしがみついた俺をオルフェがぎゅっと抱き寄せる。
「護りの結界が破られたようです」
館と敷地には魔力を失った俺のために、オルフェが魔力で見えない防護壁を作っている。
護りの結界だ。
魔族を束ねる大幹部・魔軍宰相
(オルフェを凌ぐ魔力の持ち主がいる)
「私の傍から離れないで下さい」
こくりと頷く。
「これ、着て」
手元にあった衣服を渡すと、オルフェが手早く身支度を整えた。
直後。
「来ます!」
ベッドに俺を押し付けて、オルフェが覆い被さる。
ドオオォォォオン!!
「全く、不快なものを見てしまったよ」
低く……耳に心地よい声が響いた。
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