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第20話
聖騎士団長 フレデリック・フォーエン・ギルバート
かつて。
俺が召喚される前の時代で、唯一魔王と対峙し、魔王に戦いを挑んだ英雄。
魔王に致命傷を与えた聖剣は、あと一歩のところで届かず、討ち果たす事こそかなわなかったものの、魔王と魔軍の弱体化に成功し、いっときの平和を世界に取り戻した。
フレデリックは新世界創生の象徴として、コリントスに新たな国をひらいた。
国の名は、アステリア
国民の信任を得て、初代国王となる。
フレデリック王の誕生だ。
王にして、圧倒的信頼と人気を誇る英雄は……
「君の狭き道の麗しきひだを余すところなく、僕の特濃ざーめ……」
「わーっ!!」
なんてこと言うんだ。
あなたは、国王。
世界の英雄。
「白く芳しき濃厚雄みる……」
「わーっ!!」
あなたは人望厚い国王で、皆が憧憬し賞賛する世界の英雄なんだからー!!
「絶対言っちゃダメ」
「……っ」
「わっ」
「……っ」
「わっ」
元聖騎士団長の王様が何があろうとも決して口にしてはならない言葉が、この世にはあるのだ。
何かを口を開こうとする度に、俺が大声を重ねる。
こんな事で、王様の絶大な信望をなくしてはならない。
ちょっとは凝りましたか、王様?
「もう言いませんか」
こくこく
「絶対?」
こくこく
王様が頷く。反省しているみたいだし、そろそろ喋らせてあげてもいいかな?
………ひゃっ!
不意に伸びた腕が俺を掴んで、手首を引き寄せて、肩を包まれた。
「……君に精子を入れたい。オスマンコのひだというひだを余すところなく、金玉からせり上がる僕の濃い雄汁で濡らしたいよ」
……チュッ♥
「ひうっ」
熱い息が這う。
舌が耳のひだを舐めて……チュッ……て。
俺、王様にキスされたー!!
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