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第23話

最後の鳥葬がはじまる。 「がはっ!」 乳をもむのはやりすぎた、かもしれない。それこそもげる勢いで揉んだ。仕方ない、背に腹は代えられない。注意を引くにはアレしかなかった。 計算通り、うい挑発に乗ってきた。 縦横無尽に飛来する黒い影が四肢を削ぐ、抉る、切り裂く。学ランが破け、痛々しく血が滲んだ素肌が露出する。 「ぅあっ、ぐ、ァはッ、だいじょぶっ、か」 理一が掠れた声を絞り出す。顔面にはういが操る髪の毛が巻き付いて、剥がすのに手こずっている。 髪の毛をほどこうと爪を喰い込ませる理一から少し離れた場所では、今まさにういが荒れ狂い、惨劇が繰り広げられていた。 『おのれ……おのれ……おのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれええええええ!!』 鳥葬の丘を司る巫女が闇に堕ちて絶叫する。 僧女さながら気品を帯びた美貌が歪み、狂い、おどろしいおどろしい般若と化す。 「正気に戻らんかいうい!お前を嬲りものにした外道は全員死んではる、ホンマならとっくに地獄に落ちとるはずなのにお前が縛り付けとんねん、こないけったいな異界までこしらえよって傍迷惑じゃ!子どもも生きとる!」 生前の魚住や板尾とはろくに喋った記憶がない。けれど友達とじゃれあいはしゃぐ魚住や、板尾の笑顔を覚えている。もしかしたら理一と遊んだみたいに、カラオケで盛り上がれたかもしれない。 板尾はそんなに嫌な奴じゃなかった。練を面白い奴だと褒めていた、と理一から聞いた。魚住の事はよく知らないが、一回消しゴムを拾ってもらった。 きっと悪い奴じゃないし、板尾ともお似合いだ。 「どうなってんの、前が見えない!怖いよ正孝、助けて!」 少なくとも、こんな目に遭っていいほど悪人じゃない。 鳥葬の丘に連れてこられた魚住と板尾がカラスに襲われ悶絶する、甲高い悲鳴を上げて抵抗する。魚住の葬式は済んでいるから、ここに囚われているのは霊体だ。 『やや子を返せェ』 ういの記憶と土地の記憶が混ざり合い鳥葬の丘が歪む、過去と現在と未来が混沌とする。 夕焼けに染まる空の下、嘗て鳥葬の丘に葬られた死者たちが甦る。 全身に矢が突き立った落ち武者、粗末な端切れを纏った百姓、あばらを暴かれた女。 男も女も子供も年寄りも、今もって鳥葬の丘に囚われた哀れな死霊たちが一斉に練に縋り付き、奈落に引きずり込もうと企む。 「ッ、ぐ!」 四肢を縛る髪の毛は強靭で、どんなに暴れてもちぎれない。ういの呪詛が練り込まれているのだろうか、抵抗したぶんかえってキツく食い込む始末。 眼窩が空っぽの百姓がのしかかり、夥しい矢に貫かれた落ち武者が練髪を掴んで手荒く掴む。 『ぬばたまの贄になれ』 百姓が、落ち武者が、不浄な瘴気を纏った死霊たちが端切れと化した学ランをずりおろし、きめ細かくすべらかな少年の肌を貪りだす。 霊圧で吹っ飛ばす?無理だ、鳴弦の儀で力を使い果たした。万全の状態ならこんな雑魚ども指一本触れさせないのにと、歯噛みしたところでどうしようもない。 ういは何もかもを憎みすぎて何が憎いかもわからなくなっている、彼女をこの世に留めているのは妄執だけ。 どす黒い死霊の群れが練に纏わり付き、穢し、貶める。脱げた学ランから曝け出された白い素肌に、指の形の痣が次々増えていく。 「!ッあ」 みぢり、肉をこじ開ける激痛。続く壮絶な圧迫感が吐き気を呼び起こす。 『ここは私の縄張り、私の世界。お前は特別力が強い、きっと良い人柱になる……』 眷属のカラスと戯れながら、歌うような節回しでういが宣言する。 「ッは、やめ、さわ、んなっ、きもいんじゃ、抜けっ!」 曲げた人さし指にカラスをとめたういが笑いだす。背中に鳥肌が立った。死霊が後ろに回り込み、練の後頭部を倒す。 「~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ぁああっ」 来た。 尻を犯されると同時に流れ込む生前の記憶。普段は自分の意志でシャットアウトできるのだが、衰弱しきった今の練は、激しい抽送に伴い一方的に注ぎ込まれる記憶を受け入れるしかない。 「ぁッ、んっ、ぐッ、はぁ」 石もて追われる男がいた。村八分にされた百姓。死後も墓を作るのを許されず、朽ちるに任せ丘に打ち捨てられた。合戦で矢を受け、討ち死にした武者がいた。死霊たちはまだまだ群がってくる、懸命に踏ん張る練を苛んで慰みものにする。 『悩ましい顔で喘ぐではないか』 『腕も足も細いのォ。毛が殆ど生えとらん』 『これほどの上玉なら男か女かなどささいなことよ』 教室で襲いかかった百姓たちの霊が、練の痴態に煽られ性懲りなく手を出してくる。実体はない。が、見えるし感じる。 「ふッ、ううっ」 死霊たちが交代でのしかかり、自分の中に出たり入ったりし、陰茎をぐちゅぐちゅもてあそぶ。気持ちいい。気持ち悪い。理一に見えないのがせめてもの救いだ。 とはいえ、理一も無事とは言い難い。カラスにはらわたを抉られ、滑稽に踊っている。 「ぁッ、ふぁッ、やめ、ぁっやだ、ィくっぁあ」 理一がビクビク痙攣。眼球が裏返り、白濁した泡を噴く。霊姦体質―……感じているのが苦痛だけならいざ知らず、嘗てういの身の上に起きた凌辱の詳細まで追体験させらるのだからたまらない。ほうっておけばじきショック死する、これ程の苦痛と快楽は人の身に耐えがたい。 『苦しいか?』 ういが危険な色香を含む妖艶な微笑を刷き、ゆっくりと理一に歩み寄る。 「やめろ!」 必死に制す練の声は無視された。ういが拳を握りこむ。 「~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ぁが!」 ぐちゃり、理一の腹腔に拳がねじこまれた。ういは恍惚とした表情で、温かい臓物を掴んでかきまぜる。ぐちゃり、ぐちゃり。理一の臓物を捏ね回し、真っ赤な心臓を揉みしだき、開かれた肋骨を一本一本なぞっていく。 「ぁッ、あッ、ぁぁッ、かふっ」 『苦しいな?』 ういの唇が異様に吊り上がり、黒く濡れた双眸が嗜虐の愉悦を孕む。凌辱はまだ続く。白く華奢な繊手が理一の「中」を暴き、湯気立ちのぼる臓物を掻きだし、カラスたちに食わせていく。 『愛い子じゃ。召し上がれ』 ぎゃあぎゃあ、ぎゃあぎゃあ。ういの腕にとまり、掌にのせられた血肉を夢中で啄むカラスたち。熟れた夕日が沈む丘に、カラスの鳴き声が響き渡る。 「ほ、かの奴を道連れッ、しても、けはっ、お前が可哀想なのは変わんねっ、ごほっ」 理一の喉が動いて血泡を吹く。余程根性があるのか、臓物を引きずりだされてなお喋れるとは驚きだ。ういが理一に向き直り、片方の瞼を指で押し上げ固定する。 「ぃぐッ」 瞬きを禁じられた眼球の焦点が、女の顔の中心に絞られていく。だんだんと指と爪がめりこみ、皮膚が裂けて血の玉が滲む。絶叫。視神経を引きずり眼球をほじくり出し、自ら含んで飴玉の如く転がす。 『具合がいい尻じゃ。まこと名器よ』 『物欲しげに喰い締めてくる、男にしておくのが惜しいのゥ』 宴に興が乗った死霊どもが戯言をほざく。練は脂汗を浮かべ、こみ上げる喘ぎを噛み殺す。 フーッフーッと息を荒げ、下卑た失笑をもらす死霊の群れを威嚇する。 ういは陶然とした表情で、淫靡に蠢く赤い舌を目玉に絡めていた。片方の眼窩から血をたれながし呻く理一。猟奇的なのに官能的な光景。ういの手が理一の肩にかかり、唾液に塗れた目玉を口移しする。雛に餌を与えるような、愛情さえ感じさせる仕草だった。 「ん゛ッ、ぶ、ンん゛ッ」 ういの舌が理一の口腔を舐め回す。唾液を捏ねる音がやけに生々しく響く。死霊の息が、手が、練の首筋や内腿を辿っていく。中に入った男根が暴れる。前立腺を連続で突かれ、陰茎が膨らんでいく。靄のかたまりが手を形作り、その指が粘着質に乳首を捏ね、抓り、根元から搾り立てて育てていく。 「ぁッ、ぐ」 汗と涎に塗れ、弛緩しきった顔で喘ぐ。恐怖と嫌悪と虚勢は快楽の前にあっけなく散らされた。死霊が練の体を抱き上げ、大胆に足を開かせ、後ろから容赦なく犯す。 「ぁッ、んっは、待て」 ねじきる勢いで片足を持ち上げられた。ぐぷっぐぷっ、怒張が前立腺を押す。別の死霊が男根をしゃぶらせる。実体はないのに、何故か喉が詰まる感じがする。尻と口を同時に突かれ、さらには股間と乳首をもてあそばれ、次第に意識が濁ってくる。 「も、堪忍ッ」 死霊は果てない。既に死んでいる。したがって、練が何度射精に至り種を搾り尽くされても続く。 瘴気にあてられ、練が嘔吐する。地面に倒れ込んで吐瀉物をぶちまける彼を、死霊たちは嬉々として輪姦する。 まだ切り札が残ってる。 「んッ、んッ、んッ」 抽送の死霊の律動に合わせ、もどかしげに腰を振る。 「こんなん全然足りひん。あんさん……もっと深ゥ突いてや」 だしぬけに振り返り、甘い顔と声で媚びる。白濁が内腿を伝い落ち、中が痙攣した。 「奥の奥まで入ってこい。俺の全部見せたる」 潤んだ目の誘惑が効いたのか、死霊は前にも増して荒々しく彼を組み敷き、体奥を突きまくる。 「あッ、ぁッ、あッぁッふぁッあっぁ」 絶頂。 胎動。 覚醒。 直後―死霊が消し飛ぶ。 一体、二体、三体。立て続けに弾け散る。練の四肢を縛る髪の毛が瞬時に焼き切れ、殺到したカラスすら無に帰す。ういが慄然と立ち竦む。 『中に何がいる?』 「理一の目ん玉と唇奪ったオンナに教える義理ない」 練は不敵に笑うだけで答えず、脱げた学ランに袖を通す。理一の四肢に巻き付いた髪の毛が爆ぜ散り、自由の身になる。 「弓をとれ!」 血相変えた練の一声に鞭打たれ、目玉を吐き出した理一が走り出す。視界の半分が真っ赤に染まってるせいで距離感が掴みにくい。射干玉の実が撓る近くに弓が落ちていた。練が鳴らした弓だ。 「持ってきてたのか」 「はよよこせ!」 弓を抱えて戻り、練と一緒に片膝付いて構える。 「なんでお前も?」 「即戦力。ひとりよりふたりっていうじゃん」 「―ま、いないよりマシか。俺も結構しんどいし」 「嘘こけ、めちゃくちゃしんどそうだぞ。今にも死にそうな顔色しやがって」 「やかまし。ちゃんと狙え」 生まれて初めて弓を持った。練の構えをまね、何も番えてない弦を限界まで引っ張る。 人の形をしたものを射抜く行為に緊張する理一に、落ち着き払った練が囁く。 「アレは人ちゃうで、妄執のばけもんや。はよらくにしたれ」 「でも」 「魚住と板尾、他の連中助けたいんやろ!?」 弦を目一杯引き付け、激情を露わに怒鳴る練。魚住と板尾が弱々しく助けを求めてくる。 「ちゃくらあ……」 「からすまあ……」 心が決まり、手の震えが止まる。 『おのれえええええええええ、やや子を返せええええええええええ!』 当たれと念じ、同時に手を離す。ビイイイイイイン、弦が震えて鳴る。 音の波紋が十重二十重に丘に広がり、練と理一、二人分の霊力を練り上げた不可視の矢が真っ直ぐに飛んでいく。 見えざる矢がういの胸を深々射抜き、荒ぶる髪の毛が扇状に舞い広がり、どす黒い瘴気が抜けていく。 「よっしゃ!」 練が弾んだ声で快哉を上げ、怨霊がよろめく。 『く、は』 かくなる上はと最期の力を振り絞り、髪の一房を錐揉み状に束ねて二人を襲うも、理一が動く方が数秒早い。 剣道で鍛えた動体視力で髪の毛を見切り、あえて鷲掴みにし、ぐいと体ごと引き寄せる。 次の瞬間、思いがけない事がおきた。理一がういを抱き締めたのだ。 「ッ……」 「アホ、何を」 切り裂かれた手からぼたぼた血が滴るのをよそに、理一が誠意を込めて語りかける。 「髪の毛に縛られてる時、お前の過去が見えた」 鳥葬の丘が、凪ぐ。 「こんな寂しいトコにずっとひとりぽっちで、家族も友達もだれもいなくて、なのにホントよくやったよ。お前は立派に丘を守り抜いたじゃねえか、そろそろ楽になれよ」 初めて褒めてもらえた。 誰も彼もがうい一人に役目を押し付けた。ういを烏為としか、鳥葬の巫女としか見なさなかった。 「子どもだって、きっとどこかで生きてる。お前に酷いことした奴らのこと、許さなくていい。でも……ずるい言い分になっちまうかもしんねえけど、お前の子どもの子孫が学園に入ってきた時の為に、これ以上暴れんのはやめてくれ。俺さ、この学校、好きなんだ。壊さないでほしいんだ」 激しく咳き込み言葉が途切れる。 「面白えダチとも会えたし……みんな好きで、イイ奴、だし」 理一は練と違い、霊の痛みや苦しみに感応する以外に特別な力を一切持たない。 だからこそ、体を張って懇願する。 練が唇を噛んで弓を下ろす。 「俺からも頼む。学校、壊さんといてくれ」 「みんな無事、に、げほっ、元の世界に帰してくれ」 巫女の一族に生まれたからには丘を守るのは当然の事、恋などしてはいけない、男と情を交わし身ごもるのは禁忌だと言われてきた。 心底惚れた男すら、死霊と交わるういの姿に恐れをなして逃げ出した。 なのにこの子は。 私に起きた事を、全部見たはずなのに。 「よく頑張った。偉い偉い」 片目をくりぬかれた理一がういを抱き締める。甦る懐かしいぬくもり、鼻腔をくすぐる愛しい匂い。右手首の数珠が清浄な光を放ち、目の曇りがとれていく。 ういの額に亀裂が生じる。 その亀裂が縦に走り、面が落ちて割れる。 理一と練が今の今まで見ていたのは偽りの面……人間の皮膚のように歪み変化する、作り物だった。 地面で砕けた能面から瘴気が霧散し、外気にさらされた素顔が浄められていく。 『私のやや子……』 「え?」 『会いたかった』 ういは思い出す。 今目の前にいる少年は、自分の為に泣いてくる心優しいこの子は、彼女が愛した面打ち師に生き写しだった。ういの視線がボロボロで立ち尽くす練に向く。 「は?」 何故気付かなかったのか、練とういはよく似ていた。姉弟と言われたらすんなり納得してしまうほどに。実際死霊たちは練とういを間違え、手ごめにしようとしたじゃないか。 遠い昔の室町の世に、鳥葬の巫女が産み落とした双子の赤ん坊。片方は男で片方は女。 息子は父に、娘は母に生き写しだった。 ういが練に手をさしのべる。一瞬迷ったものの、理一の力強い首肯を信頼しておずおず歩み出す。 理一と練を……遠い昔に生き別れた子どもたちの末裔を腕の中に迎え入れたういが、安らかに微笑む。 『此処に満願は成就した』 ふたりを優しく抱擁し、母親の顔で微笑むうい。急激に瘴気が萎み、丘が低く鳴動を始める。 『名前を考えていたの』 ういの唇がかすかに動く……が、聞こえない。丘の唸りにかき消され、その声は届かない。 「魚住たちを助けなきゃ!」 理一が板尾の腕を肩に回し、練が魚住の腰を支えて引き立てる。二人ともぐったりしていた。意識があるかどうかも定かじゃない。 丘が崩落する。 物悲しげに二人を見据えるういの姿が無数のカラスに覆い尽くされ、ぬばたまの闇に呑まれていく。続けて一際大きく、厳かな神威さえ帯びた羽音が舞い降りる。 「あ……」 「でっけえカラス!」 夕焼け空を圧する異形に理一が叫ぶ。丘が翳るほど巨大なカラスが悠々と翼を広げ、鳥葬の巫女を抱き込む。 『早く逃げろ。ここはもうもたぬ』 「アンタは」 『ひとには渡り神と呼ばれている』 空が落ちる。丘が落ちる。鳥葬の丘が滅び去る。渡り神が再び羽ばたくと同時、四人はそろって虚空に投げ出された。 「うわあああああああ落ちるうううううううううっ!」 「いちいちうっさいやっちゃの、騒いだかてどうにもならんさかいドンと構えとれ!」 前後左右の方向感覚が掴めず、闇をかき分け泳ぐ練と理一をよそに、ひとりだけ離れて漂い出た魚住が告げた。 「正孝……ごめんね」 「リカ?どこ行くんだ?」 「私、わかっちゃった。もう死んでるんだね」 悟った顔で呟き、諦念の微笑みを浮かべる。丘の崩壊と共に傷は綺麗に閉じられ、黒いセーラー服がふわりと舞い広がる。 「どうして……」 「幽霊は怪我なんぞせん。自分が死んでもたて、ようやく自覚したんやろ」 「待てよ、デートの約束破んのかよ!夏休みだって予定いっぱいで、二学期んなったらみんなに正直に話して、ちゃんと彼氏彼女だって認めてもらおうって」 「えみりにだけは話しとけばよかったね。親友なのに、サイテー」 魚住が全部過去形で語る意味がわからないほど板尾は鈍くないし、別れの会話を邪魔するほど理一と練は無神経ではない。 「大丈夫、一緒に謝っから。蓮見ならきっとわかってくれる、だから」 「絶対やめて。謝られたりなんかしたら惨めになるだけ。そういうとこだよ、ホント女心わかってない」 呆れ顔の魚住が板尾の頬に手を添え、見詰め合い、唇を重ねる。 「じゃあね」 魚住が練と理一を等分に見比べ、頭を下げる。 「リカ!」 「よせ、行かせてやれ!」 諦め悪くもがく板尾の腰に理一が抱き付く。魚住が寂しげに笑って上に行く。恋人たちが引き裂かれ、引き離され……

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