「や、ぁ……っ！」 「っく、はは、いまのは、危なかった」 「や、やだぁ、も、イケ、な……ひ、ひぃ……っ！」 「それは、嘘だな……くっ、ほら、また、締まった」 「やァん！　おく、おく、も、や、あぁぁァァッ！」 　向かい合うように抱き合っている中佐の大きな手が僕の腰をつかみ直した。そうしてまた、逸物をガツン！　と奥深くに突っ込んでくる。 　久しぶりに中佐しか届かない奥深くを穿たれて、僕は何度も目の前がチカチカして意識が飛びそうになった。いまなんて、思わず縋りついた中佐の肩に思い切り爪を立てながらヒィヒィ泣いている状態だ。 「……あぁ、やっぱり可愛いな」 　中佐の低くていやらしい声が聞こえた瞬間、後ろをギュウウッと締めてしまった。 　お互いの気持ちを確認したところで我慢できなくなった僕は、なだれ込むように中佐をベッドに押し倒した。されるがままの中佐もギラギラした目で僕を見ていることに気づいて、ますます興奮した。 　僕はすぐさま中佐の服を剥ぎ取った。同時に自分も服を脱ぎながら、すでにいきり勃っている逸物にしゃぶりついた。本当はそのまま一度飲みたかったけれど、「早く挿れたい」という中佐の言葉に我慢できなくなった僕は、潤滑油でほぐすのもそこそこに騎乗位で迎え入れた。 　二人とも興奮していたからか、昇り詰めるのはあっという間だった。ドクドクと脈打つ逸物にうっとりしながら、すぐさま後背位に移った。そのまま背面座位になり、正常位になり、気がつけばいまは対面座位になっている。 　僕自身、もう何度イッたのかわからない。中佐も抜かずの何発目なんだろう。でも、ナカを押し広げている逸物はすごく元気なままだ。グチュグチュと大きな音も聞こえるし、立派すぎる逸物が僕のナカをずっと擦っているのがたまらなく気持ちいい。 （すごく、気持ち、いい……けどッ！　もぅ、つらい……ッ） 　イキすぎてもつらいということを、僕は初めて知った。こんなに連続でイッたのも初めてだ。 　イキすぎた僕の性器は半勃ち状態で、揺すられるたびに中佐と僕のお腹の間でペチペチと情けない音を立てている。そのたびによくわからない液体が飛び散って、お腹や胸が濡れるのがわかった。 　後ろはずっと熱いままで、ちょっと擦られるだけでビリビリする。擦られすぎてジンジンするから縁が腫れているのかもしれない。 　ナカを擦られるたびにグジュ、ジュブと精液が泡立ってこぼれているのもわかった。途中からずっと漏れていたような気がするから、僕のお尻も中佐の下生えも汚れているはずだ。それにグチャグチャになっている敷布もベトベトに汚してしまったに違いない。 （こんなの……すごい……よぅ！） 　つらいのに求められているのが嬉しくて、僕のナカはますます中佐の逸物をおいしそうにしゃぶってしまう。気持ちいいのに苦しくて、でも求められるのが嬉しくて腰もナカも止められない……まるで輪の中をグルグル回っているような感覚に、体も頭もおかしくなっていく。 「やァ……も、くるし、……ひうっ、あァン！」 「じゃあ、あと一回イッたら、一度休む、か」 　ズン！　と突き入れられて「ヒィッ！」と情けない声が出てしまった。中佐の肩をつかんでいた腕に力が入って、胸を突き出すように仰け反ってしまう。 　すると中佐の舌が僕の乳首をベロリと舐め上げた。それだけで気持ちがよくなって「ヒッ」と悲鳴のような声が漏れる。ピリッとした痛みも感じたはずなのに、その痛みでさえいまの僕には苦しい快感にしかならない。 「……あぁ、俺のものだという感じがして、たしかにいいな……」 　中佐のウットリした声に、思わず自分の乳首を見てしまった。 　そこには細くて小さな金色の輪っかが付いていて、側面にはごくごく小さい水色の碧玉があしらわれている。付けたばかりだからか左の乳首は真っ赤に膨らんでいて、右側よりひと回りくらい大きいようにも見えた。 　この輪っかは中佐が買って来たもので、一度騎乗位でイッて少し落ち着いたときに付けてくれたものだ。 「指輪も考えたんだが、軍人である俺は普段、指輪や装飾品を身につけない。お揃いでないのなら指輪である必要はない。それなら、ほかにツバキに似合う物をと考えて作ったんだが、……付けてもいいだろうか？」 　小さな輪っかを手のひらに乗せたままそう言った中佐は、緊張しているのか眉がヘニョリとしていた。 （……どうしよう、可愛くてどうしていいのかわからなくなる） 　眉尻を下げた中佐は、耳と尻尾まで垂れ下がったワンコにしか見えなかった。あまりに可愛くて、まだ挿入(はい)ったままの逸物を思わず締め上げてしまったくらいだ。 　僕は頬が赤くなるのを感じながら「付けてください」と答えた。そうして、ゆっくりと腰を上げて逸物を抜いてから、ベッド脇に常備してある薬箱を取り出した。箱の中から消毒薬を取り出し、きれいな布も一緒に中佐に手渡す。 「少し痛いかもしれないが……」 「中佐がすることなら、なんでも平気ですよ？」 　ニコッと笑ったら、中佐がちょっと頬を染めた。それがやっぱり可愛くて、キュッと締まった後ろからトロッと少し漏れてしまった。それをごまかすように、「どうぞ」と胸を突き出す。 　中佐の手が、消毒薬を浸した布で僕の乳首を丁寧に拭い始める。それから小さな輪っかの留め金部分を外して、大きな指がそうっと乳首に触れるのをじっと見つめた。 （中佐の手つき、なんだかすごくエロいなぁ） 　すっかり尖りきった乳首はとても敏感になっていたのに、輪っかの冷たさも、ツプリと貫かれたときの痛みも不思議と平気だった。 「……痛くないか？」 「ジンジンしますけど、平気です。……僕、痛いことは苦手なんですけど、不思議ですよね」 　じつはもっと痛いのかと思って身構えていたから、少し拍子抜けしたくらいだ。そう思うくらい本当に何ともなかった。 　僕の持っている消毒薬には、ほんの少し麻酔の成分も入っている。それは受け身の男娼なら大体が用意しているもので、僕も最初の頃は腫れあがった後ろを消毒するのによく使っていた。きっとその効果が乳首の痛みを和らげてくれたんだろう。 （……ううん、違う。きっと中佐がしてくれたから平気だったんだ） 　僕はお礼の気持ちを込めて、肉厚な唇に吸いついた。そのまま口を開けて中佐の舌を招き入れる。クチュクチュと音を立てながら熱心にキスをしているうちに後ろがまた疼いてきて、前も完全に勃起してしまった。キスをしながら中佐の逸物に手を伸ばしたら、中佐のモノもギンギンに元気になっていた。 「……ね、気持ちいいことの続き、しませんか？」 　――で、元気になりすぎた中佐に何度も体位を変えながら挑まれて、出るものも出なくなった僕は悲鳴を上げてしまうことになった。 　対面座位になってから、中佐は輪っかの付いている左の乳首を熱心に舐めている。もちろん腰も動いていて、僕の頭はどんどん真っ白になっていった。声は出ているけれど何を言っているのか自分でもよくわからない。それなのに、不思議と中佐の声だけははっきりと聞こえた。 「これ、引っ張ったらどうなるんだろうな……」 　そう言って付けたばかりの輪っかを口で咥えたかと思ったら、ほんの少しクイッと引っ張った。 「ひ……っ」 「……腫れが引いたら、輪っかごと舐めしゃぶって……もう少し引っ張ってみたい」 （……え？　中佐って、そういうことが好きだったの……？） 「本当はこちらにも付けたいんだが……。さすがに痛そうだから、こっちは諦めたほうがいいか」 　そう言いながら、中佐の大きな手が僕の半勃ちの性器をユルユルと撫で回した。とんでもない発言に頭はビックリしていたけれど、体はすっかりグズグズになっているからされるがままだ。 「……はぁ、駄目だな。いくら抱いても俺のものだと実感できないし、何を付けても可愛くなるだけでますます心配になる」 「へ？　ちょ、中佐、なに、ぁ、ァッ！　ちょ、待って、アッ、そんな、奥、も、入らな、からァ！」 　中佐の腰がさらに強く動き出した。僕の腰をしっかりつかんで、これでもかと突き上げてくる。 「もっと、奥に……もっと奥まで俺を迎えて……クッ、く、ハ、は……ッ」 「ひ、ひぃ、むり、も、むりィ……ッ！　や、ぁ、ぁ、あ、アッ、ひ、あ、アァァ――――ッ」 　グプゥ、とひどい音を立てて、いきり勃った逸物が奥に挿入(はい)り込んだ。 　奥のほうをツプンと逸物が通り抜けたのは随分前のことだ。そのまま奥の壁をトントン突いていたのが、それよりもっと奥に挿入(はい)り込もうとグングン押しつけられる。ビリビリしてゾクゾクする突き当たりを信じられないくらいの勢いで押し潰されて、僕の頭のどこかがピカピカ点滅し始めた。 　あまりのことに口は開きっぱなしなのに、逆に目は開けられなくなった。ぎゅうっと瞼を閉じたままどこかに思い切り爪を立ててしまったけれど、中佐の肩か二の腕あたりだろうか。 （傷……ついてない、と、い……いんだけ、ど……ッ） 　中佐に傷をつけたくないと思っているけれど、しがみついていないとどこかに飛んでいきそうで怖くなる。僕は必死に爪を立てながら、中佐の膝の上でピョンピョン跳ねていた。腰が落ちるたびにフサフサした下生えがお尻に擦れるということは、それだけ逞しい逸物が奥深くに挿入(はい)っているということだ。 　ピョンと跳ねるだけで「ぁンッ！」と声が出る。そのまま腰を落とすと、今度は深すぎる衝撃に「ひゃぅッ！」と悲鳴が上がった。 「さぁ、奥で、俺をイカせて、くれ……ッ」 「ア、ァ…………ッ、ァ……!!」 　ゴリュッ、ブチュウ。 　ナカのものすごく奥深い何かを、中佐の逸物が擦って潰したような気がした。 　ソコは絶対に触れたらいけない場所に違いない。何かが潰された瞬間、トロトロになっていた体がガチッと固まったからだ。そのくらい大変なところに逸物が挿入(はい)ってきたと思った。 　ところがガチガチに固まっていたはずの体が、気がつけばガクガク震えてどこにも力が入らなくなっていた。あれだけ爪を立ててしがみついていた腕も、中佐の肩にだらりと乗っかっている。 （すご……かった……きもちよく、て……すご……ぃ……よぅ……） 　イッたはずなのに、絶えることなく絶頂の波が押し寄せてくる。小さい波や中くらいの波に襲われるたびに体とナカが震えて気持ちがよかった。脳みそがトロトロに溶け出しているような、体がフワフワと浮いているような不思議な浮遊感を感じる。 「……孕むくらい、俺ので満たしたい……」 　中佐の低い声を聞きながら、僕は「中佐のほうが、僕よりずっと変態じゃないかなぁ」なんて呑気なことを思い、次の瞬間には真っ暗闇に落ちていた。