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第27話

「そ、そ、そのこれは……」  古田は寧人(よしと)の上であたふたする。顔は真っ赤である。 「ふ、ふ、古田さぁん……ごめんなさい、僕寝ちゃいました」  寧人は寝てしまったことをまず詫びるが今の状況が理解できていない。  そして古田の右手は寧人のアレを撫でていたわけで、さっと古田は手を離す。だが体勢は変わらない。 「そ、そ、そうだよ。おまえが寝てるからいけない……寝たから助手席を倒そうとしたらおまえが起きた。おまえが全部悪い!」  ようやく古田は体勢を戻して運転席に戻った。服を整えてフゥ、とためいきをつく。  が寧人は体勢を戻したいのに戻せない。車にあまり乗らない彼はリクライニングの戻し方がわからない。 「古田さぁん、どうすればいいですか……」 「そのままでいろ、会社まで」  と突き放す古田だが、寧人が狼狽る姿を見て自分のアレが反応し始めていることに気づく。 「わぁっ!」  と寧人がひょんな拍子でリクライニングがバン!と戻った。 「戻った、すいません……」  だが古田が再び寧人の身体に覆いかぶさり、リクライニングで倒した。 「どアホ! なんでそんなに、そんなにポンコツなんだっ。可愛すぎてしんどい。40のくせに電車に乗れない。困った顔がたまらない。いじめても飄々としてる。なんなんだよぉおお、おまえは」  古田はそう叫ぶと寧人に抱きつく。寧人はポカンとしていたが、古田の頭をポンポンと撫でた。  古田は、へっ? という顔をしている。寧人は微笑む。 「古田さん、褒めてくださってありがとうございます。嬉しいです……」 「あああああああっ」  古田は唸る。そんなつもりではなかったが何故か寧人に微笑まれた彼はさらに顔を赤らめる。 「何も言わずにしばらくこうしてましょうか」 「……」 「……」  沈黙を経て古田がさらにギュッと寧人を抱きしめた。 「あと10分、あと10分はこうしてていいか」  寧人は古田を見つめた。 「はい」  狭い営業車の中、二人は抱きしめていただけだったが、古田が寧人のアレをズボンの上から触り出した。 「古田さん……」 古田は目を合わせない。寧人は悶えだす。 「そうだ、その顔だ……その顔が見たい」 「ああっ……ダメです、駐車場です、ここは」  寧人は触られながらも抵抗するが古田が後部座席から何故かあった毛布を取り出して二人で覆いかぶさった。 「これならいいだろ……顔は見えないが」 「やだ……やめてくだ……んんん」  古田がキスで寧人の口を塞ぐ。無理やり舌を絡ませる。ねちょりとねちょりと。 ハァハァと吐息も酷くなった。 「僕のも触ってくれ」  素早く古田はチャックを下ろしてアレを出して寧人に握らせる。寧人も握るしかなかった。自分のは古田が握ってる。 「古田さん……」 「なんだ」 「これじゃ汚れちゃうから……その、ホテル行きませんか」 「お前からホテル誘うのか、この淫乱男」 「そ、その、古田さんのいいスーツや営業車が汚れちゃうから」 「……そんなの気にするな。もう我慢できない。お前はホテルに行くのか? 誰か相手いるのか……鳩森」 「……」 「その顔を他の奴に見せてるのか」 「……はい」  古田は笑った。笑いながらアレを閉まって衣服を整えた。 「素直すぎるな、お前。なんかムードなくなったわ。また今度な。トイレ行ってくるから……」  と古田は車から降りてコンビニにトイレを借りに行こうとしたが寧人は彼の腕を掴んだ。  寧人は一護(いちご)以外の男に……しかも古田に襲われるとは思わなかった。そして自分の口からホテルに誘うとは。  自分のしたことを恥ずかしく思うのであった。だが剥き出しになった自分のアレは、おさまらない。 「古田さん、僕のを舐めて」

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