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プロローグ

僕は昔からよく、"女みたい"だと言われる事が多かった。 白い肌は日焼けを知らず、長い睫毛に整った顔立ち。 こんな自分が大嫌いだった。いっそ男に生まれて来なければよかったと。 そしてそんな僕は、中学を卒業しとある男子校に進学する道を選んだ。いや、選ばざるを得なかった。 これも全て母親のせいなのだ。 僕を授かった途端、父親に浮気をされて離婚。母親は絶望し、たった1人の息子である僕に注がれるべき愛情を憎悪に変えた。 「全部お前のせいだ」と言って。 挙句母親はこれまで働いていた職場を辞めてホストに通い始めた。 その頃からよく家には知らない男がいることもあったし、僕に向けられる下卑た汚い目線が不快だった。 精神が不安定な時は、泣きながら僕に暴力を振るう事も。 「お前は男受けするんだから、進学するなら男子校で身体でも売って稼いできな」なんて実の息子に言うことだろうか。 特に将来の夢なんて物も無かったし、僕は指示された学校への進学を決めた。 ※※※ 「…まぁウリなんて死んでもしないけど」 僕は母親の言うことは聞かず、早く自立する為にアルバイトも探し始めた。 やたら目立つ顔立ちを隠すべく、眼鏡をかけて髪も乱雑に整えただけである意味近寄りがたさを演出出来てる。…と思う。 いよいよ入学式の時間だ。 このまま何事もなく平和に過ごせますように。 僕はただ祈った。

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