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第106話

期待して後孔が締まるのがわかった。 今からアレが中に来るんだ、それだけで興奮して唾液が増える。 腰を掴まれる。 彼も興奮してくれているようでいつもより荒い呼吸が聞こえた。 「蒼太」 「ふ、ぁ……」 熱の篭った声が鼓膜を揺らす。 「挿れるよ」 「う、ん……!っあ、ぅ、あ、あ……っ!」 グニュリ、入ってきたそれ。 いつもしていることと同じなのに、感覚が全く違う。 気持ちいいのがずっと続いて、逃げようとした僕を彼の手が押さえ付ける。 「だめ、逃げないで」 「はぁっ、ぁ、ゃ、すご、ぁ、あぁッ!」 挿れられただけで射精して、シーツを強く掴みながら彼が奥まで入ってくるのを待った。 トン、と先端が奥の壁につくとヒロ君は僕の上に乗っかかってくる。 重たいのに、それがやけに幸せでうっとりしながら彼の名前を呼ぶ。 「ん、何?」 「ぁ……ぅ、うなじ、噛んでぇ……?」 「っ」 「僕の、うなじ噛んで、ヒロ君のにして……」 そう言うとゴクリと嚥下音が大きく聞こえた。 背中に重なっていた彼が離れる。 え、と思うより早く、彼は律動を始めて僕の頭は白く霧がかかったように考えることができなくなった。

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