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第126話

■■■ 外で手を繋いだあの日から、少しずつ外でもスキンシップを取るようになった。 ただ手を繋ぐだけだったり、時々ヒロ君に肩を抱かれて密着して歩いたり。 緊張することはあるけれど、前みたいに大袈裟に拒否することは無くなったし、周りの視線をあまり怖く感じることも無くなった。 というのも。 あの甘いバニラの香りが、くっついているといつも彼から香ってくるからだ。 本人には言わないけれど、ふとした瞬間に香るそれが周りの視線より気になって、愛しく感じて、幸せに思える。 休みの日には手を繋いで不動産屋に行って、遂に二人で暮らす家も決まり、来月には引越しの予定。 それを共通の友達である真樹に伝えるため、平日の昼休みの時間にヒロ君と一緒に真樹をランチに誘った。 「最近忙しくてたまに会社ですれ違うくらいだったから、今日誘って貰えて嬉しい!」 「僕も嬉しい!」 「エレベーターで時々会うくらいだもんな。あ、でもたまにうちの部署に来てるっけ?」 最近ハマってるカレー屋さん。 サラサラのスープのようなルーがお気に入り。

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