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第14話:『性交とは他人の体を使った自慰行為』

「いや、俺の言いたいことは愛し合う時、自分以外の肌の暖かさとか一緒に得る快楽とか、心地よい疲労感とか知ろうともしないなんて、もったいなすぎるって事だ。初めから拒絶を選ぶことは選択肢を狭めてるってことだろ?」 「なんです、そんな事。気持ちよくなりたいなら別に他人の体使わなくても良いでしょう。如何して自慰行為に他人の体が必要なんですか。一人でできるじゃないですか。朝比奈君も「性交渉とは他人の体を使った自慰行為」と言ってます。僕もその意見には大賛成だ。ならば僕が僕の体を慰め愛せば問題ありません。感じるところは僕だけが知っていれば良いのです。」 「…駄目だコイツ。さらりととんでもない事言いやがった」 「ユウキ…諦めなよ。他人を理解しようとすること自体きっと傲慢なことなんだよ。サラと仲良しという時点で人間として欠陥があるんだ。日本人は見た目は大人しそうだけど、中は変態なんだよ」 フレデリックはもともと他人を見下す所があるが、五十嵐からすれば何を根拠に見下しているのか理解できない。むしろ、ここまで丁寧に説明しているのに理解できない彼らは実は頭が悪かったのかと驚きだ。親友の朝比奈 更紗が居ればこんな面倒なことにはならなかったのに残念だ。しかし、お兄様と一緒なら仕方がない。 「何言ってんの!?俺、五十嵐がそんな寂しい子だとは思わなかったよ!!性格も温厚で顔だって可愛くて頭だって悪くない。生徒会の仕事もきちんとこなせる真面目な五十嵐が、もてないなんて可笑しいとおもったんだよ!その気になれば、恋人の一人や二人作れるはずなのに!パートナー作ろうよ。」 「やですよ。パートナーとかって面倒です。全て自分の思い通りに気持ちよくなれないと楽しくないでしょう。僕は相手に奉仕するのもイヤですし相手に何か要求されるのもイヤです。相手の体を見るのも自分の体を見せるのもイヤです。デリケートな部分を擦り合わせるなんてもっとイヤです。だったら、二次元を恋人に自分の体で自分を愛した方が良いに決まってるでしょう。 誰にも迷惑かけないし、何より僕が幸せですから。自分で自分の体を慰め愛すのだから、問題ありません。それより、次の新刊に一之瀬先輩と朝比奈先輩をモデルに何か書きたいんですが、どちらが攻めだと思います?他の人なら簡単に決まるんですけど、あの二人だけは難しいんですよねぇ。でもあの二人のキャラならGLでもBLでも両方いけそうなんで魅力的なんですよね。あぁ、もうリバで行こうそうしよう。そして、監査委員メンバーにお仕置きエロを書こう。羽田先輩のヤンデレルートも捨てがたいですね。」 「君に恋人が出来ない理由が良く分かった…生徒会一の変人だからだな」 「まさか、生徒会最強メンバーがこいつとは…」 兄崎、フレデリック、春日は目の前の一年坊主の五十嵐には敵わないことを痛感した。

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