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第13話 怒ってるのにいつも通りなのが1番怖い

 教室に入ると海斗と悠真君がいた。悠真君は別に珍しくないけど、海斗がいるのは珍しい。それに早く来た歩君とは逆でこの時間帯にいつもいる歩君がいない  それにいつもと違って2人は何も喋らずに静かにしている。いつもならよく喋ってるのにどうしたんだろう。なんとなく怯えてるようにも見えるけど気のせいかな? 「おっはよーう!悠真、海斗」  僕が2人の様子に疑問を感じているといつものように弘君が声をかける 「「っ!?」」  ただ弘君に声をかけられた2人の反応はいつもと違っていた。ビクッと肩を震わせて、恐る恐る振り向き弘の顔を確認すると、途端にホット息を吐いた 「なんだ弘か。よかったぁ~」 「ったく驚かせるなよ。あっ空もいたのかはよう」  海斗の方は声をかけてきたのが弘だと分かり安堵して悠真君の方は僕もいる事に気づき声をかける 「うん。おはよう悠真君、海斗。」 「ねぇねぇどったの2人とも?なんかめちゃくちゃ様子が変だけど」  弘君が様子がおかしい事を聞くと2人とも体がビクッと震えて表情を引き攣らせる。 「あー、えっととりあえず今日は大人しくしてよう!てかそうしてくれ!」 「空は大丈夫だろうから心配はしてねぇけど、弘!お前は絶対に今日は大人しくしていていろ!マジで頼むから!」  2人は口早に喋り出す。まぁ、殆どは悠真君が喋ってたけど。にしても2人とも凄い必死な形相でとてつもなく心配になる。本当に何があったんだろう。というか 「ねぇ悠真君。歩君いないけどどうしたの?この時間帯はいつもならもう居るよね」  僕がそう聞くと2人の表情があからさまに怯えてるのが分かるようになった。 「あ、えーっとだな。今日はゆっくり来るって言ってたぞ」 「そ、そうらしい。それと今日はちょっとだけ期限が悪いらしいからその刺激しないようにしてやってくれ!」 「あー、もしかしてまだ昨日のを引きずってる?」  何か心当たりがあるのか弘君が気まずそうに質問をする。それに対して2人は首を縦に振って答える。取れるんじゃないかって心配になるぐらいだ 「一体何があったの?」  この2人がこんなに怯えるなんてなんだか想像がつかないんだよね。 それもその理由が歩君だって言うんだから余計に信じられないんだよね。歩君は優しいから全然想像出来ないや 「えっとさーー」  ガラガラ  弘君が喋り始めようとすると教室の扉が開く音がした。そしてそれと同時に何故か空気が少し重くなった様に感じる。  え、なにこれ?なんで急にこんな空気が重くなってるの。というか海斗と悠真君の2人が目に見えて顔色が悪くなっているんだけど。顔が青くなるってこういうのを言うのかなぁ。あっ、弘君もなんかちょっとだけ顔が引き攣ってる  まぁ、現実逃避のどうでもいい事を考えるのは後回しにして多分今入ってきた人が原因だよね。この3人の様子がおかしくなったのも、教室の中の空気が重くなったのも  もしかして今入って来たのって。いやまさかね。そんなわけないよね。というかそうであってほしい。お願いだから別の人であって。 「あっ、空君おはよう」  後ろから声をかけられ、僕の希望は恐らく消えた。この声そうだ。うわー誰か嘘だって言ってくれないかな。  無駄だと分かりながらも現実逃避をしたまま、声のした方向に振り向くとそこにはいつものように穏やかで優しげな笑みを浮かべている歩君がいた 「おはよう歩君。今日は昨日と違って元気そうだねよかった」 「う、うん。やんか心配かけちゃってごめんね。けど大丈夫だから気にしないでいいよ。」 「そっかぁ。そう言えば昨日は何してたの?」  あれ、歩君の顔はいつものように優しい笑顔なのになんでだろう。なんか黒いオーラが出てるような。  この人は本当にあの歩君なの?偽物じゃなくて? 「えっと今日響君に渡すのを選んでたよ」  本当は正直に教えるつもりはなかったんだよね。だってその話繋がりでBLの事がバレたらまずいからね。  けどなんでか分からないけどここでは嘘を言ってはいけない気がしたんだよね。それにこの言い方ならぎりぎり教えなくても良くはならないけどこれくらいなら誤魔化しもいいよね。 「あ~そっか。空君は昨日響君と仲良くなれて凄く嬉しそうだったね。それだったら昨日カラオケに来なかったのも仕方ないよね」  あ、やばい。覚悟してたけど、やっぱりこうなっちゃったか。はぁ、少ない額で許してくれるといいんだけどなぁ。 「あ、あの歩君。昨日のお詫びに今日の放課後にケーキ屋行かない?奢るよ」 「え、別に気にしなくていいのに。それに悪いからいいよ。」 「いやいや、僕が気にするから遠慮しないでよ」  いや本当にお願いします。そうしないと本気で今の歩君怖いんです!お願いだから僕の心労やら罪悪感やらを軽減させください! 「えーっとそれならお言葉に甘えさせてもらおうかな」  ふぅ、よかった。歩君の黒いオーラが少しだけ薄くなった。それと同時に教室の空気が軽くなった。  この歩君の様子じゃ悠真君や歩君が大人しくしていろって言うのも納得だね。一体昨日何があったんだろう。

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