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破瓜 4

「怖い?」 「ぃ、ぃいえ……」  否定はするが、震えと強く力の込められた体が本心を語る。  それでも、絞り出された言葉が覚悟の程なのだろう。  指に改めて唾液をまぶし、一本を奥まで差し込む。  ぎちりとした窮屈さは、処女のそれより強固な感じがした。 「熱いな」 「  っ、ぇ……?」  噛み締めた歯の間から返事が返る。 「君の内が熱い」 「っ!」  涙目で彼は顔を逸らす。  そうすると締め付けが余計に激しくなり、指を動かすにも苦労した。  宥め、愛撫し、隙を見て解すを繰り返す。  夏の暑さも相俟って、どちらの汗とも体液ともわからないものでどろどろになりながら絡み合った。  やっとのことで、頑ななそこはかろうじてと言う程度に綻ばせることができた時には、翠也は喘ぎのためか息も絶え絶えに見える。 「できる限り、力を抜いていておくれ」  伝えれば余計に緊張を促すかとも思ったが、不意打ちのような繋がりではなく同意の繋がりが欲しかった。  翠也はこちらを見詰め、頷いてからしっかり抱き着いてくる。  その苦しさを愛おしく思いながら、足を抱えた腕に力を入れて腰を動かす。  押し返すよう抵抗がある。    無理矢理それを無視して突き進んでしまいたい欲求を抑えながら、時間をかけゆっくりと入り口を押し広げていく。  押し付けた雁首が痺れる。  力づくで分け入り、擦り上げたい誘惑に目が眩む。 「は……っ! くそっ」  悪態を吐いた俺に、翠也は怯えるような視線を向けた。 「な、なにか、粗相を……?」  泣き出しそうな翠也に首を振り、力一杯抱き締める。 「はや  く、君が欲しくて……っ」 「……はい!」  凛と返事を返してくる翠也にくしゃりと笑みを返すと、彼がずり上がらないように肩を抑えて腰に力を込めた。 「ぃ……────っ!」  見開かれた目と、悲鳴すら出せずに掠れた息を漏らす姿が痛々しくて……  けれど下半身を包む窮屈さと充足感に腰が痺れた。   「  ぃ、っ……あっ  」  痺れの促すままに体を動かすと、翠也の柳眉が苦悶に歪む。  はくはくと息を求める苦し気な様に、動きを止めるために奥歯を噛み締めた。 「息を……吐いてごらん」  そう言うも、彼は止めどなく涙を流しながら唇を震わせるだけで……  俺自身の息を整え、すっかり縮まってしまった翠也の下半身に手を伸ばす。  ゆる と扱くと翠也の意識がこちらを向いた。 「翠也、わかるかい? 俺が内にいるのが」  一、二度瞬き、応えるように頷く。 「苦しい?」 「……と、ても」  鼻にかかった涙声だった。 「ごめんよ、もう少し我慢しておくれ」  頭を撫で、口づけ、ゆるゆると翠也の起立を慰めながら体を揺する。 「ぁ、……は、ぁ」  小さく彼が喘ぐ度に内が蠢いて射精を促す。  久し振りの人の体内に挿入した刺激に、あっと言う間に達してしまいそうだった。  

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