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るり 6

 そう離れていない距離だというのに招かれて、微かに上体を傾ける。 「指を出せ」 「は?」 「いいからっ」  玄上はそう言い、手を強引に引っ張るとべろりと口に含んだ。 「ぅっうわっ! 止めろっ気持ち悪いっ!」 「舐めなきゃ入らねぇだろうが、ほら」 「それなら自分でできるだろっ⁉」  言い返しながら手を引くと玄上は「ん」っと短く言って顎をしゃくり、太い二本の指で広げられた穴を示す。 「触ってみろ」 「や、それは……」  学ぶと言う形をとっていても、触れてしまえばそれはもう翠也を裏切ることになってしまうだろう。 「見て、……覚える」 「百見は一行にって如かずって言うだろう?」  ぐっと言葉が詰まる。  やわりやわりと動かされるそこは排泄のための場所ではなく、愛でられるために存在するかのようだ。  玄上の卑猥な指の動きにつれて、可愛らしい赤みを持つ芽がふるふると震えてはとろりとした欲を零している。  明らかに、その行為で欲情している姿は…… 「翠也くんのためだろう?」 「玄上っ……お前……」  呻く声にからかうような喉の奥で笑う音が返る。  翠也のためと大義名分を打たれはしたが、俺が指を伸ばしてしまった大半の原因は好奇心だ。  内に入れる前に、一度るりの様子を窺うと紅潮した顔でこくりと頷いてくれる。  翠也を気持ちよくするため。  るりもいいと言ってくれている。    第一、そこはもう塞いで欲しくて堪らないと言うふうにひくりひくりと俺を誘って……  触れた体内は灼けるように熱く、柔らかく、そして滑らかに俺の指を飲み込んだ。   「あぁ、っん、んんっ」  計三本の指を咥えると、さすがに苦しいのかるりは身じろぐように喘ぐ。  俺と玄上の指に犯されたそこは痛々しいほどに広がり、はっとさせるほどの朱色を見せる。 「ぃ、痛そうだ」 「俺のが入るんだ。これくらい平気だ」  るりはその言葉に恥じらいながらも頷き、楽な姿勢を探して玄上の胸に頭を預けた。  磔にされたような姿は凌辱しているのではないかと錯覚させ、悪寒のようなぞくぞくとしたものを背筋に這わせる。 「こっち側だ。腹の方」 「え?」  共に内を犯す指がここだと叩く度に、るりの嬌声が上がるせいか思わず身を引きそうになった。 「ほら、せっかく教えてやってるんだ。しっかり覚えて帰れ」 「ぅ……」 「個人差はあるが大体ここらだ」  ぐりぐりと苛めるように玄上の指が動くと、「ひゃぁっ」と言う甲高い声と共に体が大きく跳ねる。  小刻みに震える太腿を押さえられて逃げることもできず、るりは快感を逃そうと身をくねらせた。 「な?」  あまりの乱れる様に手を引こうとすると、それは許さないとばかりに玄上の手が掴んでくる。

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