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金木犀 5
それが演技だろうなかろうが、誘う術は蠱惑的で……
蜃気楼に巻かれた気分で切れた唇に口づける。
挿し込まれた小さな舌先に応えるように舌を伸ばすと、情熱的にそれを返されて最後の理性が突き崩されたのが分かった。
「 卯太朗ので、上書きしてほしい」
うっすらと涙さえ浮かべて俺の情けを強請る姿が本物か偽物かわからないまま、白い肌についた赤い痕を追うように啄んで行く。
「あ……おっきくなってる……」
るりの手が俺の服を乱して、苦しさを訴えていた箇所が解き放たれるとほっと息が漏れた。
「っ……おれ、うれしいよ?」
飾り気もなく素直にそう言われると、くすぐったい心地よさに胸が跳ねる。
へへ とるり自身も照れたように笑い、細い指でそれを引きずり出して雁首を掌で包む。
「舐めてもいい?」
窺うように問われ、頷く前に後ろ手を突いた。
お互い了承の言葉も何もなかったけれど、まるで俺の動きがわかっていたかのようにさっと目の前に跪いて頭を垂れる。
一瞬、手の擦り傷に気を取られたようだったが、すぐに何事もなかったように唾液を絡めた舌で先端を舐め始めた。
含み切れない部分を手で補い、ちゅるっと吸われると思わず腰が浮きそうになる。
「は……ぅ……」
「ここ、好きだよね?」
尋ねながら袋をやわやわと揉まれると、呻くような返事しか出ない。
先端に浮いた雫を舌先で掬い取るようにされて掠れた声で名前を呼んだ。
熱に浮かされたような声ですべてを理解したのか、るりは意を汲んで地面へと背中をつける。
しゃり と背中で音を立てる枯れ葉を気にするでもなく、乱れて腕を通しただけになった着物を大きく開く。
薄い胸も、脂肪を含まない腰もすべてが直線的で女とはまったく違うが……
逆にそれがひどく艶めかしい。
体を動かすたびに傍らの金木犀が香を放って、その匂いに酔いそうになりながらるりの手を引いて起こす。
「ど した?」
先端からはしたなく先走りの汁を垂れ流しているのはお互いさまで、その状態で体を起こすようにと手を引いた俺にるりは怪訝そうな顔を向ける。
その表情の中には、このままおしまいと言われてしまうのではと言う恐れがあるような気がして、金糸のような髪を撫でて膝を叩いた。
「上においで、背が痛くなるだろう?」
幾ら着物と枯れ葉があるとは言えここは剥き出しの地面の上だ、挿入を繰り返せばるりの薄い皮膚はすぐに破けてしまうだろう。
「 っ、うんっ」
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