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夜中の訪問者

【勇人サイド】 元『寝てたのに』 ん?元の声が聞こえる 青木『夜中様子見に来るって言っただろ』 青木先生もいるっぽい 今何時だ……0:30か…… こんな夜中にどうしたんだろ 元と青木先生のヒソヒソ声とオレンジ色の光が漏れてきて目を覚ました。 元『抜いてくれるの?』 青木『むくみ強くなってないか確認するだけ』 元『…っ…ゔ……痛い…』 青木『しー、みんな起きちゃうだろ』 グチョ グチュ 夜中だから音響いちゃうな……聞かないであげたいけど丸聞こえ…… 元『いたい……グスン…』 泣いてる……こんな夜中に起こされた挙句に痛い事されてるなんて…… たしかに前に集中治療室に入った時夜中でも早朝でもお構いなしに治療受けたな…… 元があそこは地獄って言ってたのホント分かる…地獄から抜け出してきても結局体調悪いとこうやって大部屋でも治療受けなきゃいけないんだ…… 僕がもし今の治療が効果なかったら…… 元みたくどんどんキツイ治療されるのかな…… 怖い…… 元『エネもう一回挿れる前にトイレ行きたい…それ入ってると座る時激痛なんだよ…』 青木『分かった。車イス持って来るから行こう』 元『歩ける……歩かせて』 青木『…はぁ……あんまり無理するな』 元『いいの……』 元はすごいな…青木先生にあんな風に僕は言えない。 たぶん僕が元と同じ治療してたら車イスどころかずっと寝たきりだよ…自分で歩くなんて…凄すぎる… 青木『支えてるからもたれ掛かってもいいぞ』 元『大丈夫……はぁ…はぁ…』 ホントに歩いてトイレ行っちゃった…… …………。 僕もう眠れなさそう……

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