【元サイド】 勇人が竹内先生を探しに部屋を出て行き、大部屋がシーンと静まり返った。 はぁ……俺も治療サボりたい。 気持ち悪いし…勇人とちょっと会話しただけで息苦しいし…… 森田先生が薬変えてくれたから少しだけ頭痛楽だけど、まだ痛いし。 俺の身体なんなんだよ。扱いにくいよ。 ！！ 加藤先生の気配する 加藤「なんか呼吸速くない？」 背中と胸に手をあてられた 加藤「トイレでも行ってた？」 元「行ってない…はぁ……はぁ」 窓向きに寝ていた身体を正面に向け、加藤先生の顔を見上げた 加藤「酸素ちゃんと鼻にきてる？風感じる？」 元「きてる……」 加藤「少し酸素増やすよ」 鼻乾燥するから酸素嫌い。 加藤「午前の治療長いんだけど耐えられる？」 元「え……」 長いの…… 加藤「……休み休みやろう」 ！！ 頭をポンポンと撫でながら電話をかけ始めた。 っ……なんか視界がボヤける… なんで優しく撫でるんだよ…… 加藤「あれ、竹内先生話中だ。」 元「…グスン…っ…」 加藤「……注射するよ」 ・ ・ ・ 加藤「今日は右腕かな」 元「…ぅ…ん」 俺が泣いているのに気づいているけどあえて触れてこない…… よかった……たぶんこれ以上優しくされたら涙が止まらなくなる… 　 加藤「消毒するよー」 チクッ 元「……っ…た…」 加藤「はい、今日の注射おしまい」 元「……ありがとう…ございました…」 加藤「あいさつ出来ていい子だねー」 ポンポン 今日やたら撫でてくるなぁ 加藤「いい子にしてると呼吸も安定するし血色もマシになるんだけどなぁ…… 今日も大部屋がいい？」 元「……大部屋…」 加藤「…あっそう。頑固だなぁホント」 竹内「すみません！！遅くなりました」 加藤「やっと来たー、もう注射しちゃったよ」 竹内「マジすか…じゃあ明日俺やるんで！」 あっ……勇人帰って来た……成功したかな 加藤「何してたの？俺の電話出ないし」 竹内「あのぉ…ちょっと…メンタルケアを…」 加藤「チラッ）ふーん」