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電話
【勇人サイド】
竹内先生を探すって言ってもどこいるんだろ……
はっ……加藤先生だ…朝診察もう始まってるのかな……
勇人「ねぇ、竹内先生見なかった?」
友人「1006号にいたよ」
勇人「ありがとう」
よかった、加藤先生と別行動っぽい
・
・
・
いたぁ!!採血してる……
部屋の前で待ち伏せしておこう……
相手が竹内先生なのに緊張する……
竹内「はーい、またねー」
来たぁ!!
!!
勇人「竹内先生!!」
竹内「うおっ!!びっくりしたー!何?俺何かした?」
勇人「先生………」
竹内「何何……どうしたのさ」
背の高い竹内先生が採血セットを近くの棚に置いてしゃがんで手を繋いでくれた
勇人「………電話…」
竹内「電話??」
勇人「佐々木先生……と……話したい……」
竹内「……あぁ…なるほどね。オッケーオッケー笑。」
胸ポケットの中にあるPHSを取り出して、手を繋いだまま電話をかけてくれた
竹内「先生今外来中ですよね?……ちょっと勇人が話したいみたいなんですけど、電話続けてもいいですか?」
………。
竹内「佐々木先生電話出来るって」
………。
竹内先生から電話を受け取りゆっくりと耳にあてた。
勇人「………あの…」
佐々木「勇人おはよう」
勇人「……おはようございます…」
佐々木「どうしたの?」
勇人「…………ぁ…の……」
…………
佐々木「朝ごはん食べた?」
勇人「……食べてない…」
佐々木「お腹痛い?」
勇人「………ちょっと…」
佐々木「どのあたり?」
勇人「…………」
佐々木「上?下?」
勇人「………上…」
佐々木「胃の辺りだね、先生午前外来でいないんだけど、午後病棟戻るから診察行ってあげるね」
勇人「………は…ぃ…」
違う…午後じゃ遅い……
勇人「……ぁの…」
佐々木「午前の治療はお休みしようか」
は///
佐々木「森田先生に伝えておくから、午前ゆっくり休みな」
勇人「///」
佐々木「それで大丈夫そう?」
勇人「大丈夫」
佐々木「うん、じゃあまた後でね」
ピッ
勇人「………」
竹内「『あの』しか言ってなかったけど話せた?」
勇人「話せた…」
竹内「期待してた答えもらえた?」
勇人「もらえた……」
竹内「よかったね笑。お部屋一緒に戻ろうか」
竹内先生に背中を撫でてもらいながら廊下をゆっくり歩いた……
まだ優しい佐々木先生の声が耳に焼きついてて離れない……
竹内先生が言ってたように「あの」しか言ってなかったのに…汲み取ってくれて……欲しかった回答を言ってもらえた。
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