【加藤サイド】 今日の予定は午前は検査が2件と治療が1件…元の精液検査が午後に入っているけど……俺はどうしようかなって感じ苦笑。 今日の元の採血結果は割と良かったからあとは精液検査に期待したいところ。 長期治療で体力低下が著しいから精液検査耐えられるのかが本当に心配。 佐藤「加藤先生、翼連れて来ました」 加藤「あぁ、はいはい」 松野　翼（13） ウイルス性難治血尿 膀胱炎疑いで入院。B班が担当していたが、膀胱内にウイルスがいる事が分かり、難治性のためA班にチーム変更の依頼がかかった。 人見知りで心を開くのが苦手。唯一B班の佐藤先生がかなりのお気に入り 佐藤「翼、A班の加藤先生だよ」 翼「やだ泣」 やだ笑。 佐藤「やだって……苦笑」 翼「A班行きたくない泣」 佐藤「翼の病気はA班の方が治すの得意だよ？」 翼「それでもB班がいい泣。佐藤先生いなきゃ嫌だ」 佐藤「すみません……ちゃんと説明したんですけどまだ納得してくれなくて苦笑。」 加藤「時期に慣れるよ、もうすぐ他の先生達も来るからここ座ってて」 翼「やだ泣」 加藤「じゃあ立ってて」 翼「…………」 佐藤「……すみません、お願いします」 加藤「はーい」 翼「！」 加藤「佐藤先生に着いて行かなくていいから、君は今日からこっちの班」 佐藤先生の後ろにくっついて行きそうになっていた翼の手を掴むと、その場にしゃがみ込みシクシク泣き始めた。 加藤「はぁ…苦笑」 とりあえず放っておこう。 ・ ・ ・ 森田「誰この子」 加藤「昨日話した松野翼ですよ」 森田「…あぁ、班替えの子か」 加藤「翼ー」 肩をポンポンと叩くとゆっくりと顔を上げた 加藤「森田先生」 翼「……グスン…こわいぃ……泣」 森田「まだ何もしてないんだけど苦笑。」 加藤「大丈夫です、俺は第一声『いや』でした」 森田「思った事全部口に出ちゃうんだね笑。」 佐々木「おはようございます。」 加藤＋森田「おはよう」 佐々木「あれ？なんでしゃがんでるの？この子だよね？B班の翼君。どうした？」 翼「……っ……優しい……声だけ」 加藤「ふっ笑」 森田「声だけ笑」 加藤「班長の本質第一印象で見抜かれてるじゃん笑」 佐々木「えぇ…声だけじゃないから安心して？」 竹内「おはようございまーす！新しい子すか？」 翼「…………」 森田「ノーコメント笑」 加藤「ノーコメントが1番辛い笑」 竹内「え？なんですか？？なんでみんな笑ってるんですか？？」 佐々木「いや、ごめん笑。きっといい意味で何もないんだと思う」 竹内「ますます状況が分からない（困惑）」 加藤「翼の事頼んだよ」 竹内「え？はい」