【翼サイド】 事件は昨日起きた 佐藤「翼ー」 大好きな佐藤先生が珍しくお昼頃ふらっと現れてめちゃくちゃテンション上がっていたら面談室に誘われた。 佐藤「座って」 翼「退院出来るの？」 佐藤「ん？違うよ」 翼「………（しょぼん）」 佐藤「尿検査を精密検査に出していたんだけど、その結果が届いたから説明するね」 翼「…ぅん…」 佐藤「血尿の原因とされていたのがいわゆる膀胱炎っていう細菌が悪さをする病気を疑って治療してたんだけど、一向に良くならないじゃない？」 翼「……ぅ…ん」 佐藤「検査で分かったのがね、細菌によるものじゃなく、ウイルスによる血尿だったみたい」 翼「…ぅん」 佐藤「ウイルス性の血尿ってちょっと治療が時間かかるから、当初1週間程度で退院出来る予定だったんだけど、退院の目処は未定って思っていてほしいの」 翼「………ぅん」 佐藤「ウイルスを身体の中から退治するために点滴と飲み薬で薬物療法をしていきます。あと今もやってるけど膀胱洗浄も続けていくね」 翼「…はい」 佐藤「ここまでの話で分からない事あるかな？」 翼「大丈夫」 佐藤「うん。あとね、B班で治療をしていたんだけど、もっと高度な治療が必要だから明日からA班の先生が治療を引き継いでいくからね」 翼「えっ！！！」 佐藤「明日A班の先生に一緒にあいさつに行こう」 翼「やだ！泣。佐藤先生がいい」 佐藤「俺も最後まで面倒みてあげたかったんだけど、翼の病気が治るのが1番だからさ、そこは理解してほしい」 翼「佐藤先生じゃなきゃやだ泣。佐藤先生いないと頑張れない……見捨てないで」 佐藤「違う違う、見捨てたわけじゃないんだよ。班は離れるけど退院まで見守るからね」 翼「…今までみたく診察来てくれる？」 佐藤「…今までみたいに診察とか治療に入る事はないんだけど、顔は出すようにするよ？」 翼「……A班の先生は僕が粉薬飲めない事知ってる？」 佐藤「ちゃんと申し送っておくよ。痛み止めの薬はシロップがいいのも、処置がある日は安定剤飲んでる事も全部教えておく。なるべく環境が変わらないようにするからね」 佐藤先生とこの日は2回面談をして僕も一旦承諾したんだけど……やっぱり不安で不安で仕方ない。