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忙しい当直③
【加藤サイド】
そろそろ医局戻ってテレビでも見ながらゴロゴロしようかな
「ねぇー」
この声は……
加藤「ねぇじゃないでしょ笑」
元「先生暇になった?」
加藤「暇じゃないよ、医局戻ってテレビ見る」
元「暇じゃん」
加藤「何?どうしたの」
元ちゃんと向かい合わせになるように座らせると少し気まづそうに点滴をいじいじし始めた。
加藤「それ触っちゃダメだよ笑」
元「うん……」
加藤「ちゃんと夕飯食べられた?」
元「食べた」
加藤「食欲出てきた?」
元「まぁまぁ」
加藤「そっか苦笑。
そうだ、明日採血あるからね」
元「……採血結果よかったら退院?」
加藤「うーん…まぁ…退院出来るかの評価材料にはなるよね」
元「………退院したくない…」
……えっ?
聞き間違い?
………いや、でも退院したくないって言ったよな。
加藤「退院したくないの??」
元「…………」
加藤「何か不安?」
元「……中学ほとんど行ってないから…勉強分かんない」
加藤「元ちゃんでも課題ちゃんと提出してたじゃん」
元「課題だけだと追いついてるか分かんないじゃん……」
加藤「たしかにね、初めは勉強分からないなって感じるかもしれないけど、まだまだ学生生活長いんだから徐々に追いつけばいいんだよ?」
元「うん……」
加藤「元ちゃんやる事はちゃんとやれる子なんだから、俺は何も心配してないよ?」
元「うん……」
加藤「コミュ力も低くないし友達すぐ出来ると思うし、部活もこれから選ぶ感じでしょ?」
元「うん……俺って運動していいの?」
加藤「徐々にならいいよ?」
元「…そっか……」
加藤「学校もね、初めのうちは午前だけとかでいいんだよ?いきなり新生活に飛び込んでいかなくていいからマイペースに身体慣らしていこう?先生学校にちゃんと文書出すからさ?」
元「うん……」
加藤「でもね、俺案外慎重だからまだ退院させないよ?笑。安定してないもん。」
元「……やっぱり…退院したい。」
加藤「はいはい、また今度ね笑。」
頭を撫でると照れくさそうに笑い、少しだけスッキリとした顔を見せてくれた。
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加藤「部屋まで送るよ」
元「1人でいい」
加藤「1人行動許可してないんだけど?笑」
元「何回も1人で動いてるけど大丈夫だったよ。勇人のとこ行ってもいいよ」
加藤「勇人?」
元「……さっき一回ナースステーション覗きに来たら勇人と楽しそうにしてたから……」
あぁー、にんじん食べさせてた時か苦笑。見られてたか
加藤「ヤキモチ妬いちゃった?笑」
元「違う。新しいオモチャ見つかったんだなぁって思っただけ」
加藤「それヤキモチだから笑。元ちゃん可愛いなぁ笑」
元「……うるさい///」
加藤「大丈夫だよー、俺のオモチャはずっと元ちゃんだから笑」
元「最悪っ……///」
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