304 / 536
治療の日 採血
【勇人サイド】
竹内「勇人食器片付けちゃっていい?」
勇人「はい」
竹内先生が朝食を片付けに行ってくれ、加藤先生が見ていない隙に部屋に戻ろと思い立ち上がった。
加藤「勇人ー、そのままそこ座っててー」
後ろに目でも付いてるのかって疑いたくなるくらい立ち上がった瞬間に振り返ってきたよ。。。恐ろしい
看護師さんとの話を終え、採血道具を持って近づいてきた。
加藤「逃げようとしたでしょー」
勇人「…………」
加藤「図星だな笑。」
採血準備をサクサク進めながら、両腕をテーブルに置くように指示され渋々両腕を差し出した。
加藤「昨日熱あったからやっぱり今日脱水気味かなぁ。血管いつもより出難いねー」
血管出難いって言われると緊張してくる……やだな
加藤「両腕縛ってみるか」
勇人「………」
加藤「後退りしないの」
僕の足を加藤先生の両足で挟まれ身動き出来ないように固定されてしまった。
加藤「右手かなぁ
一発で取ってあげるから大丈夫だよ。」
勇人「………はぃ」
加藤「手グーパーグーパーして」
右腕をゴムで縛られてグーパーグーパーを数回繰り返した
勇人「グーパーグーパーやだ泣」
腕がズーンと重くて全身の血の気が引きそうな感じがして嫌になってきてしまった。
加藤「はいはいごめんね。チクッとするよ」
チクッ
勇人「んっ」
ちょっとチクッとしたけど、加藤先生やっぱり採血上手い。
加藤「頑張ったね、楽にしていいよ」
勇人「…………」
加藤「テンション落ちたね笑。
森田先生待ってるから部屋戻ろうか」
・
・
・
加藤先生に手首を掴まれ、足早に部屋に戻って来ると、治療スペースに森田先生の姿がちらっと見えた。
加藤「こっちだよー」
ベッドに戻してもらえると思ってベッドの方に向かって行くと、加藤先生にグイッと引っ張られ、治療スペースに連れて行かれてしまった
勇人「ベッド戻りたかった」
森田「なんか目赤くない?笑」
加藤「今日ちょっと採血の難易度が高くて苦笑。」
森田「それで不機嫌なんだ笑。」
勇人「休みたいです」
森田「次エコーだから休めるよ」
勇人「ベッドで休みたい(グズグズ)」
加藤「ベッドみたいに倒してあげるから」
勇人「違う泣」
ともだちにシェアしよう!